益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

惜春

きょうの自選句。五右衛門の山門にあり春惜しみ 益弘

きょうの自選句。悪人の裸にも臍ありにけり 益弘

春の風邪

きょうの自選句。密かなる逢瀬の後の春の風邪 益弘

蛍烏賊

きょうの自選句。裏日本忘るな蛍烏賊光る 益弘

風の名

きょうの自選句。春休み風の名前を蒐めをり 益弘

風船

きょうの自選句。風船とヘリコプターと群集と 益弘

きょうの自選句。躁のこゑ鬱のこゑあり蛙にも 益弘

春眠不覚暁 処処聞啼鳥

きょうの自選句。春眠のところどころに鳥のこゑ 益弘※盛唐期の代表的詩人、孟浩然の「春暁」春眠不覚暁 処処聞啼鳥を、俳句にすればこうなります。

花疲れ

きょうの自選句。花疲れ人疲れとも云ふべけれ 益弘※4月21日、俳句結社「浮寝鳥」吟行。於・仁和寺。

折鶴

きょうの自選句。春愁の色紙をまた鶴にする 益弘

春装のひと

きょうの自選句。春装のひと鏡より出でゆきぬ 益弘

化野(あだしの)

きょうの自選句。化野に胡蝶の空のありにけり 益弘※化野(あだしの)=北の蓮台野、東の鳥辺野、と並ぶ 京都の平安時代以来の西の葬送地。 特に化野は風葬(野晒し)の地として著名。

春の時計

きょうの自選句。空白に春の時計の鳴つてをり 益弘

無季

きょうの自選句。釘抜きに抗ふ釘も昭和かな 益弘

春の蚊

きょうの自選句。いまに死ぬ人も春の蚊を払ふ 益弘

燕来る

きょうの自選句。燕来や表札いまも故人の名 益弘

白魚

きょうの自選句。白魚の死にて真白くなるあはれ 益弘

桜吹雪 花吹雪

きょうの自選句。塵の身を桜吹雪に濡らしけり 益弘

花冷、桜冷

きょうの自選句。花冷のつながつて出るティッシュかな 益弘

花筏

きょうの自選句。花筏ゆくいづれ皆ゆくところ 益弘

花衣

きょうの自選句。いとはんと呼ばれてをりぬ花衣 益弘※「いとはん」=関西方言でお嬢さんのこと、いとさん。 また、末娘を「こいさん」と云う。

花の別れ

きょうの自選句。いつかまた出逢へさうなる桜かな 益弘

追悼

きょうの自選句。囀るやヨハネ・パウロ二世の天 益弘

花月夜

きょうの自選句。ひとつぶの雫の中の花月夜 益弘

花人

きょうの自選句。花人の無数の翳の中に亡母 益弘

桜と骸骨

きょうの自選句。校庭に花理科室にスケルトン 益弘

花の宿

きょうの自選句。板前はむかし美男子花の宿 益弘

花冷

きょうの自選句。あをあをと花冷の空ありにけり 益弘※(結社「浮寝鳥」吟行句会 於・花の寺=勝持寺、大原野神社)

花しぐれ

きょうの自選句。タクシーを拾ふ女人や花しぐれ 益弘

京都もそろそろ・・・?

きょうの自選句。花咲いて祇園の夜空燃え易し 益弘