2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。淡雪やはんなりといふ京ことば 益弘
自選句。春を寝て未生以前を旅してをり 益弘
自選句。春の夜のすぐに泣くひと泣かしけり 益弘
自選句。春装のひと鏡より出でゆきし 益弘
自選句。白杖は道たがへざり百千鳥 益弘
自選句。料峭や紙の葬花の紙の音 益弘
自選句。豚落ちて黄河の春を泳ぎけり 益弘
自選句。抱擁のあなたに海市崩れ初む 益弘
自選句。春泥の径の果てなる縁切寺 益弘
自選句。屋根づたひ何処へも行けて恋の猫 益弘
自選句。春燈のともりて昏らき先斗町 益弘
自選句。流氷の天も動いてをりにけり 益弘
自選句。繰り言が母の遺言しゞみ汁 益弘
自選句。風船が逃げるシンデレラ城の上 益弘
自選句。鳥雲に時差の向うの子をおもふ 益弘
自選句。ひそかなる逢瀬の後の春の風邪 益弘
自選句。初午やすゞめ焼く香の裏参道 益弘
自選句。亡き数のひとを娶りし春の夢 益弘
自選句。蝌蚪に手が出てもう魚にはなれぬ 益弘
自選句。佐保姫の覚めて奏づる深山川 益弘
自選句。春はあけぼの珈琲はアメリカン 益弘
自選句。撫で牛は石のつめたさ梅白し 益弘
自選句。いくさ経し不死身の人の春の風邪 益弘
自選句。眼が合ひて忽ち有縁捨仔猫 益弘
自選句。立春のなかなか立たぬ卵かな 益弘
自選句。やらはれし鬼見失ふ人の渦 益弘
自選句。柊挿して鬼も来ず人も来ず 益弘
自選句。切結ぶ竹の音聴く風二月 益弘