益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

長閑 長閑さ のどけし のどけさ 駘蕩

自選句。長閑なるものに帝と鼻毛かな 益弘

鳥雲に入る 鳥雲に

自選句。鳥雲に時差の向うの子をおもふ 益弘

春浅し 浅春 浅き春

自選句。春浅き雨のひそひそ降りてをり 益弘

蒲公英 鼓草 蒲公英の絮

自選句。タンポポも占領されし平和かな 益弘

春の空 春空 春天

自選句。遠浅の海とほあさの春の空 益弘

山笑ふ

自選句。頭より身体をつかへ山笑ふ 益弘

梅 白梅 紅梅 枝垂梅 盆梅 梅林 梅二月

自選句。白梅に醒め紅梅に惚けけり 益弘

春の鴨 残る鴨

自選句。残る鴨勇の詠みし水にかな 益弘

春泥 春の泥

自選句。春泥の小径の果の縁切寺 益弘

水温む 温む水

自選句。水ぬるむ近江に富士のありにけり 益弘

春の月 春月 春月夜

自選句。湯上りのかほを向けたる春満月 益弘

ものの芽 物芽 菖蒲の芽 芍薬の芽 桔梗の芽

自選句。七曜の巡る早さの物芽かな 益弘

母子草 ははこ 御行 ほうこ草 父子草

自選句。母子草かなしき人の名づけけむ 益弘

東風 夕東風 雲雀東風 梅東風 桜東風

自選句。東風さむき白梅町といふところ 益弘

蝌蚪 お玉杓子 蛙の子 蝌蚪の紐 数珠子 2

自選句。蝌蚪いまだ蝌蚪より知らぬ蝌蚪の国 益弘

風船 紙風船 ゴム風船 風船売 2

自選句。いつしかに切れにし縁紙風船 益弘

風船 紙風船 ゴム風船 風船売

自選句。風船が逃げるシンデレラ城の上 益弘

春の雪 春雪 春吹雪 淡雪 牡丹雪

自選句。春雪霏々と鬼はまだそこにゐる 益弘

春の風邪

自選句。ひそかなる逢瀬の後の春の風邪 益弘

春の夕焼 春夕焼

自選句。存分に歩きて春の夕焼かな 益弘

春灯 春の灯 春ともし 春の燭

自選句。春燈をともして昏き先斗町 益弘

蝌蚪 お玉杓子 蛙の子 蝌蚪の紐 数珠子

自選句。蝌蚪に手が出てもう魚にはなれぬ 益弘

猫の子 子猫 猫の親 猫生まる

自選句。眼が合ひて忽ち有縁捨仔猫 益弘

恋の猫 恋猫 猫の恋 春の猫 猫交る うかれ猫

自選句。屋根づたひ何処へも行けて恋の猫 益弘

立春 春立つ 春来る 立春大吉

自選句。立春のなかなか立たぬ卵かな 益弘

追儺 鬼やらひ なやらひ 豆撒 豆打 鬼打豆

自選句。やらはれし鬼見失ふ人の渦 益弘

春近し 春隣 春遠からじ 春遠し

自選句。人形の起こせば開く眼春隣 益弘

二月

自選句。切結ぶ竹の音聴く風二月 益弘