2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。空席が一つ密かに冬去りぬ 益弘
自選句。独身を徹す彼女の黒セーター 益弘
自選句。日向ぼこもの哀しさも身に溜まり 益弘
自選句。薄紙の中の京菓子春近し 益弘
自選句。島の灯が真珠のごとし春隣 益弘
自選句。しあはせと云ふは退屈炬燵猫 益弘
自選句。薄目してすべて視てをり冬の猫 益弘
自選句。吊革にゆらりと日脚伸びてをり 益弘
自選句。霙るゝや古町片町廓町 益弘
自選句。殲ぶとは踏むもののゐぬ雪のこと 益弘
自選句。待春の身をひるがへす近江鯉 益弘
自選句。大寒のほのほの中の中華鍋 益弘
自選句。月光のそこだけ皓し寒櫻 益弘
自選句。風邪ひいて一所懸命眠りけり 益弘
自選句。休校の砂場に遊ぶ風邪の神 益弘
自選句。寒の水逆さ金閣揺るぎなく 益弘
自選句。六根に燦と沁み入る寒の水 益弘
自選句。山眠りゐて石英は水晶に 益弘
自選句。順々に逝きて一人や置炬燵 益弘
自選句。美しき真顔に逢ひし雪の町 益弘
自選句。冬の蠅罰があたつて生きてをり 益弘
自選句。蜜柑に爪深く悪女かも知れず 益弘
自選句。寒紅や祇園は昏きところなる 益弘
自選句。ばつたりと南座まへの御慶かな 益弘
自選句。三十六峰みな名をもちて初霞 益弘
自選句。寡婦よりのあえかに香る賀状かな 益弘
自選句。鶴のこゑ白日輪の中にあり 益弘
自選句。蝉丸も小町もとられ負け歌留多 益弘
自選句。ひそやかに一歯喪ふお正月 益弘
自選句。相識らぬ幾万のかほ初まうで 益弘
