益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

除夜 除夜の鐘 年の夜

自選句。 一服の紫煙のゆくへ除夜の星 益弘

日記果つ

自選句。 倖せか余白の多き日記果つ 益弘

行く年 年逝く 年流る 年送る 年歩む

自選句。 にんげんを篩にかけて年歩む 益弘

炬燵 置炬燵 堀炬燵 切炬燵

自選句。 炬燵居の脳の大部を使はざる 益弘

年の暮 歳暮 歳末 歳晩 年末 年の瀬 年の果 年暮る 年詰る

自選句。 年の瀬をやをら過りぬ霊柩車 益弘

冬深し 冬深む 冬さぶ 真冬

自選句。 冬深し標本室の千の蝶 益弘

冬銀河

自選句。 若き日の悔いが犇く冬銀河 益弘

猪鍋 牡丹鍋

自選句。 猪鍋の煮え立つ比叡颪かな 益弘

初雪

自選句。 初雪は水子のために降りにけり 益弘

冬の暮 冬の夕 寒暮

自選句。 わがために紅き花買ふ寒暮かな 益弘

冬鷗

自選句。 オロシヤの舶を怖れず冬かもめ 益弘

顔見世

自選句。 顔見世や名代の蕎麦もお目当てゞ 益弘

冬の蠅 冬蠅

自選句。 冬の蝿存ふるとは咎に似て 益弘

煮凝

自選句。 煮凝や町家の冷えも懐かしく 益弘

賀状書く

自選句。 賀状書き了ふ皓々と月ありぬ 益弘

風花 かぜはな かざばな 吹越

自選句。 風花やはんなりといふ京言葉 益弘

年忘 忘年会

自選句。 密やかにこひびとと逢ふ年忘れ 益弘

狩 狩猟 猟夫 狩人 猟犬 猟銃 狩座

自選句。 猟銃に色気の如きもの光る 益弘

十二月

自選句。 空箱の中に空箱十二月 益弘

雪 六花 大雪 小雪 粉雪 細雪 小米雪 新雪 根雪 深雪 飛雪 雪明り 雪晴 深雪晴

自選句。 雪の京古きキネマを視る如く 益弘