2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。波は己が重みに崩れ夏の果 益弘
自選句。夏惜むタクラマカンの石一つ 益弘
自選句。見てゐるとつゆたゝかはぬ闘魚かな 益弘
自選句。仰のけの触れば鳴ける落蝉よ 益弘
自選句。白紙なるファクスひらりと夜の秋 益弘
自選句。水バーに水を味はふ夜の秋 益弘
自選句。法然院さまの下闇長ゐして 益弘
自選句。水母らの流離のなみだ海になる 益弘
自選句。さまたげにならぬしほさゐ籠枕 益弘
自選句。ちりぢりのその後を知らず子かまきり 益弘
自選句。蝉鳴けり蝉の屍のうへ蝉鳴けり 益弘
自選句。嶮にして泉へつゞくけもの道 益弘
自選句。メロン切る女将のけふの機嫌かな 益弘
自選句。屍に群るゝ蟻を見てをり頭垂れ 益弘
自選句。鉾回すをとこの気負ひ佳かりける 益弘
自選句。肩車され宵山の空をゆく 益弘
自選句。清正の鎧も屏風祭かな 益弘
自選句。さまよへる昼寝の国の快楽かな 益弘
自選句。夏痩せていよいよ火酒の旨かりし 益弘
自選句。無人島人をゆるして夏旺ん 益弘
自選句。コンピュータルームに仄とシャネルの香 益弘
自選句。きのふがまだ傍らにゐる熱帯夜 益弘
自選句。頓堀に男前なる夏の月 益弘
自選句。胆試しすれ違ひしは誰ならん 益弘
自選句。らふそくの火が一つ百物語 益弘
自選句。いま打ちし水いま消ゆるこの世かな 益弘
自選句。ないやうに見えて道ある青野かな 益弘
自選句。室町も二階囃子の夜風かな 益弘
自選句。舞妓けふいとまの絞り浴衣かな 益弘
自選句。砂時計過ぎ去るものの涼しさよ 益弘