益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

月夜

きょうの自選句。金銀の鯉のたゆたふ月夜かな 益弘

秋の蝶

きょうの自選句。秋蝶に供華ある仏なき仏 益弘

秋空

きょうの自選句。秋空や行方知れずの友のこと 益弘

夜食

きょうの自選句。ピエロまだピエロのままの夜食かな 益弘

秋の声 秋色

きょうの自選句。銀閣に銀箔あらず秋のこゑ 益弘

秋の風2

きょうの自選句。秋風の京に七口ありにけり 益弘

秋の風

きょうの自選句。葬家へとつづく矢印秋の風 益弘

新涼

きょうの自選句。新涼の鯉に背筋のありにけり 益弘

かなかな 蜩

きょうの自選句。ふり向けば既にたそかれ遠かなかな 益弘

芋の露

きょうの自選句。芋の露笑ひ転げてをりにけり 益弘

桔梗

きょうの自選句。正視して男ごころの桔梗かな 益弘

鳳仙花

きょうの自選句。鳳仙花一所懸命爆ぜにけり 益弘

残暑

きょうの自選句。横丁に葬の出てゐる残暑かな 益弘

踊り

きょうの自選句。踊らねど東京音頭憎からず 益弘

男郎花

きょうの自選句。みちのくの或るみちのべの男郎花 益弘

大文字

きょうの自選句。たまゆらの逢瀬となりし大文字 益弘

白露

きょうの自選句。白露やたまたま人に生まれけむ 益弘

銀河

きょうの自選句。死ぬ人に障子をひらく銀河かな 益弘

秋の雲

きょうの自選句。一片の数式となる秋の雲 益弘

野分

きょうの自選句。白鳥を研ぎ澄ましたる野分かな 益弘※白鳥=白鳥座

さやけし

きょうの自選句。ゆくゆくは元素に還るさやけさよ 益弘

遠花火

きょうの自選句。遠花火停まりし時計うごきだす 益弘

蜻蛉

きょうの自選句。存在をかそけくすれば蜻蛉来る 益弘

蝸牛

きょうの自選句。でで虫の一寸先の浄土かな 益弘

炎天

きょうの自選句。炎天を行く正気とは狂気とも 益弘

昼花火

きょうの自選句。空腹の青春なりし昼花火 益弘

夏の海

きょうの自選句。眼下夏海あをあをと魔は誘ふ 益弘

蝉時雨

きょうの自選句。蝉しぐれ葬始まりて葬了る 益弘

夏惜む

きょうの自選句。夏惜むタクラマカンの石ひとつ 益弘

晩夏

きょうの自選句。孤島また孤島にもどる晩夏かな 益弘