益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

寒中水泳 寒泳

自選句。寒泳の老いの抜き手の美しく 益弘

竈猫 炬燵猫 かじけ猫 冬の猫

自選句。薄目して全て視てゐる冬の猫 益弘

雑炊 おじや

自選句。雑炊にあらずリゾットちうて食ぶ 益弘

冬芽 冬木の芽

自選句。冬芽赤し少年はいま反抗期 益弘

冷たし 底冷 3

自選句。底冷にしてはんなりと京言葉 益弘

鴨 真鴨 小鴨 鴨の声 鴨の陣

自選句。真つ先に翔ちたる鴨が撃たれけり 益弘

冬 三冬 九冬 玄冬 冬帝 黒帝 冬将軍

自選句。冬の孔雀少しく人を集めをり 益弘

正月 お正月 祝月 太郎月 元月 2

自選句。正月の余韻の空気祇園さん 益弘

春近し 春隣 春遠からじ 2

自選句。島の灯が真珠のごとし春隣 益弘

湯豆腐

自選句。湯豆腐や玻璃を拭へば嵐山 益弘

春近し 春隣 春遠からじ

自選句。薄紙の中の京菓子春近し 益弘

大寒

自選句。大寒のほのほの中の中華鍋 益弘

セーター カーディガン ジャケツ

自選句。独身を徹す彼女の黒セーター 益弘

冷たし 底冷

自選句。あづまびと京の底冷かこちけり 益弘

山眠る

自選句。山眠るふつと活断層のこと 益弘

冬の水 冬の泉 寒泉

自選句。金閣に逆さ金閣冬の水 益弘

春待つ 待春

自選句。待春の身をひるがへす近江鯉 益弘

寒の水 寒九の水

自選句。六根に沁みとほりけり寒の水 益弘

日脚伸ぶ

自選句。吊革にゆらりと日脚伸びてをり 益弘

焚火 朝焚火 夕焚火 夜焚火 落葉焚

自選句。人体におもてうらある焚火かな 益弘

蜜柑 蜜柑山

自選句。蜜柑に爪深く悪女かも知れず 益弘

冬の雨 寒の雨

自選句。止まり木に女将とふたり寒の雨 益弘

恵方詣 恵方 吉方 恵方道 2

自選句。恵方へといつか一人になる二人で 益弘

初霞

自選句。三十六峰みな名をもちて初霞 益弘

鶴 凍鶴

自選句。鶴のこゑ白日輪の中にあり 益弘

寒紅 丑紅

自選句。寒紅や祇園は昏きところなる 益弘

恵方詣 恵方 吉方 恵方道

自選句。恵方へと魔物の金を持ち歩く 益弘

正月 お正月 祝月 太郎月 元月

自選句。ひそやかに一歯喪ふお正月 益弘

歌留多 骨牌 歌がるた 花がるた いろは歌留多 歌留多会

自選句。蝉丸も小町もとられ負け歌留多 益弘

初詣 初参 初社 初御籤

自選句。相識らぬ幾万のかほ初まうで 益弘