益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

木の芽風

きょうの自選句。義経も天狗も出でよ木の芽風 益弘

鳥帰る

きょうの自選句。水筒に小さな磁石鳥帰る 益弘

春水

きょうの自選句。春の水めりはりのある空映す 益弘

春風

きょうの自選句。春風やけふより手話を習ひ初む 益弘

春眠

きょうの自選句。迷路また悦しき春の眠りかな 益弘

春の虹

きょうの自選句。春虹を見たる仕合せ献血す 益弘

きょうの自選句。一服の向精神薬真夜の蝶 益弘

春は曙

きょうの自選句。春はあけぼの珈琲はアメリカン 益弘

きょうの自選句。うぐひすを聴きゐて白湯のうつくしき 益弘

春落葉

きょうの自選句。ちゝはゝの永遠の留守春落葉 益弘

地虫出る

きょうの自選句。化野の石に出でたる蜥蜴かな 益弘※化野=あだしの

水の春

きょうの自選句。美しく瞑るひとに水は春 益弘※瞑る=めつむる

壬生菜

きょうの自選句。壬生菜好き新撰組は嫌ひどす 益弘

春の雲

きょうの自選句。一斤のパン一片の春の雲 益弘

花菜漬

きょうの自選句。日本は御飯の國や花菜漬 益弘

山笑う

きょうの自選句。山笑ふ比叡は未だ笑はざる 益弘

しやぼん玉

きょうの自選句。しやぼん玉毀れて消えて飢餓の国 益弘

春装

きょうの自選句。春装のひと鏡より出でゆきし 益弘

春の風邪

きょうの自選句。密かなる逢瀬の後の春の風邪 益弘

春の夢

きょうの自選句。鬢髪のにほひのしたる春の夢 益弘

春大河

きょうの自選句。おほいなる手に春大河蛇行せる 益弘

春の夜

きょうの自選句。京湯葉と灯りし春の夜も更けぬ 益弘

春燈

きょうの自選句。春燈下明朝体のうつくしき 益弘

きょうの自選句。お持たせの春の三時の五色豆 益弘

立春

きょうの自選句。がうがうと篁鳴らし春立ちぬ 益弘

節分

きょうの自選句。やらはれし鬼のまぎるゝ人の渦 益弘

恋の猫

きょうの自選句。一の丘二の丘恋の猫やあーい 益弘

待春

きょうの自選句。待春の身をひるがへす近江鯉 益弘