2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。一服の紫煙のゆくへ除夜の星 益弘
自選句。大歳の観念したるしゞまかな 益弘
自選句。年歩む大き静寂ありにけり 益弘
自選句。行く年の動く歩道を歩いてゐる 益弘
自選句。大時計の内部の暗き掃納め 益弘
自選句。顔見世も千龝楽やゆりかもめ 益弘
自選句。休校の砂場に遊ぶ風邪の神 益弘
自選句。ゆきずりの嬰泣きやみぬ聖樹の灯 益弘
自選句。天皇誕生日密やかにひとと逢ふ 益弘
自選句。しぐれねばならぬ如くに小督塚 益弘
自選句。自動車も静かなオブジェ深雪晴 益弘
自選句。音消して救急車去る寒夕焼 益弘
自選句。年の瀬をやをら過りぬ霊柩車 益弘
自選句。みちのくの伏目のこけし冬深き 益弘
自選句。レンズに土星蒼かりし湯冷かな 益弘
自選句。母遺す編みし毛糸の未来形 益弘
自選句。オロシヤの舶を怖れず冬かもめ 益弘
自選句。夜雨そと初雪となる別れかな 益弘
自選句。煮凝や町家の冷えも懐かしく 益弘
自選句。水仙や怒濤いくつも見てゐたる 益弘
自選句。鶴も嘆くか垂直に嘴立てゝ 益弘
自選句。寒林やこゑ美しく禽の棲む 益弘
自選句。底冷の紫がかり比叡昏るゝ 益弘
自選句。冬深し標本室の千の蝶 益弘
自選句。凍夜ふと街角に降る電子音 益弘
自選句。とりわけて女将の自慢かぶらむし 益弘
自選句。すきま風しきり大政奉還の間 益弘
自選句。賀状書き了ふ皓々と月ありぬ 益弘
自選句。つぐみ焼昭和もとほくなりにしよ 益弘
自選句。冬の蝶供華より供華へ翔びにけり 益弘
