2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。ぬばたまの耳塚といふ虫の闇 益弘
自選句。虫の夜のなかなか寝顔美人かな 益弘
自選句。白鳥座研ぎ澄ましたる野分かな 益弘
自選句。蜩のこゑのみ透きて杉襖 益弘
自選句。蚯蚓鳴くさすが六道珍皇寺 益弘
自選句。稲妻やをんなに別の貌がある 益弘
自選句。霧ふりて別れ遅るゝ国際線 益弘
自選句。ふり向けば既にたそかれ秋の蝉 益弘
自選句。京都御所東隣 梨の木神社千年の水千本の萩の花 益弘
自選句。新涼のイノダコーヒのテラス席 益弘
自選句。みちのくの或るみちのべの男郎花 益弘
自選句。存在をかそけくすれば蜻蛉来る 益弘
自選句。あまねく主はいます糸瓜曲がり初む 益弘
自選句。正視してをとこ心の桔梗かな 益弘
自選句。秋蝉をあつめて広し妙心寺 益弘
自選句。束の間の逢瀬となりぬ大文字 益弘
自選句。東京に不二見えてゐる終戦忌 益弘
自選句。過去帳に水子がひとり茄子の馬 益弘
自選句。供へある水に泛く火蛾死んでゐず 益弘
自選句。東京の空のすがしき盆休 益弘
自選句。をんなよりをやま美し秋燈 益弘
自選句。うつつなり砂漠に西瓜売る男 益弘
自選句。坂道に影の蝶生れ長崎忌 益弘
自選句。朝顔の紺を愛する家系かな 益弘
自選句。かはたれの濃き珈琲に秋立ちぬ 益弘
自選句。夜の秋の星空浴に君の星 益弘
自選句。冷房の効きゐて壁に原爆図 益弘
自選句。雲の峰をんなが四股を踏んでをり 益弘
自選句。土いろの蝶低く舞ふ大旱 益弘
自選句。夏惜むタクラマカンの石一つ 益弘