2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。一服の紫煙のゆくへ除夜の星 益弘
自選句。大時計の内部の暗き掃納め 益弘
自選句。はんなりと年暮るゝかな祇園町 益弘
自選句。行く年の動く歩道を歩いてゐる 益弘
自選句。落日を一鳥よぎる枯野かな 益弘
自選句。顔見世も千龝楽やゆりかもめ 益弘
自選句。ひたすらに一點となる枯野人 益弘
自選句。年の瀬をやをら過りぬ霊柩車 益弘
自選句。昼酒に寿ぎて天皇誕生日 益弘
自選句。休校の砂場に遊ぶ風邪の神 益弘
自選句。みちのくの伏目のこけし冬深き 益弘
自選句。冬麗のどこかにジャムを煮る香 益弘
自選句。オロシヤの舶を怖れず冬かもめ 益弘
自選句。洛中の朝餉つましやすぐき漬 益弘
自選句。冬の水泛かめる蠅の死んでゐず 益弘
自選句。冬の蠅存ふるとは咎に似て 益弘
自選句。冬深し標本室の千の蝶 益弘
自選句。自動車も静かなオブジェ深雪晴 益弘
自選句。とりわけて女将の自慢かぶらむし 益弘
自選句。面白うなりさうな夜や京に雪 益弘
自選句。狛犬の阿吽の分かつ霜の花 益弘
自選句。クリスマスツリー角を曲れば裏社会 益弘
自選句。賀状書き了ふ皓々と月ありぬ 益弘
自選句。十二月八日未明の放屁かな 益弘
自選句。底冷の底を奔りて蒼き川 益弘
自選句。底冷の紫がかり比叡昏るる 益弘
自選句。冬の蝶供華より供華へ翔びにけり 益弘
自選句。ジョン・レノン思ひ出させてしぐれけり 益弘
自選句。千年の古都の川音浮寝鳥 益弘
自選句。あすのため冬の怒濤をいくつも見る 益弘