益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

春の雲

きょうの自選句。或るときは綿飴になる春の雲 益弘

木の芽(このめ)

きょうの自選句。いそがしく山蟻走る木の芽季 益弘※木の芽=きのめ、と読むと「山椒の芽」のことで、 別の季語になる。

花衣

きょうの自選句。待ち合はすフラミンゴのまへ花衣 益弘

きょうの自選句。老人の眼のすぐ潤む櫻かな 益弘

花冷 花の冷

きょうの自選句。あをあをと花冷の空ありにけり 益弘

きょうの自選句。念々に我あたらしき櫻かな 益弘

花の宿

きょうの自選句。板前はむかし美男子花の宿 益弘

春の夕焼 春夕焼

きょうの自選句。充分に歩きて春の夕焼かな 益弘

遅き日 遅日 暮遅し 夕永し

きょうの自選句。遅き日の夕青空を歩きけり 益弘

春の虹 春虹 初虹

きょうの自選句。ひたすらに田を鋤く人や春の虹 益弘

山笑ふ 笑ふ山

きょうの自選句。おもむろに鬼門の山も笑ひ初む 益弘

彼岸 お彼岸 入彼岸 彼岸過ぎ

きょうの自選句。奥津城の井のゆたかなる春彼岸 益弘

黄砂 黄塵 霾る 霾天 霾ぐもり

きょうの自選句。霾天下怒り喜び泣き笑ふ 益弘

春の月 春月 春月夜 春満月

きょうの自選句。春月の出てひとひらの雲母波 益弘※雲母=きらら

春泥 春の泥

きょうの自選句。春泥の径の果なる縁切寺 益弘

踏青 青踏む 青き踏む

きょうの自選句。青踏むや何も持たざる手がふたつ 益弘

冴返る 凍返る 寒戻る

きょうの自選句。冴返る上七軒といふところ 益弘

朧夜 朧月夜

きょうの自選句。朧夜の抜け路地いくつ先斗町 益弘

春の川 春の河 春川 春江

きょうの自選句。春の河大いなる手に蛇行せる 益弘

春愁 春思 春意

きょうの自選句。春愁やカーテンの色変へてみる 益弘

野遊び 野がけ 春遊び ピクニック

きょうの自選句。シェパードにも笑顔のありて野に遊ぶ 益弘

花 櫻

きょうの自選句。北野より平野へ花をうかがひに 益弘

春昼 春の昼 2

きょうの自選句。春昼の脳の一室がらんだう 益弘

春昼 春の昼

きょうの自選句。春昼や家出したくて家にゐる 益弘

鳥帰る 鳥引く 引鳥

きょうの自選句。水筒に小さな磁石鳥帰る 益弘

蟻穴を出づ 地虫穴を出づ

きょうの自選句。穴出でし蟻見て我に行処なし 益弘

虻 花虻 牛虻

きょうの自選句。虻が来る己が羽音の後ろより 益弘

仔猫 猫の子 2

きょうの自選句。向うでも捨仔猫飼ふちちははか 益弘

雛 雛祭 雛人形 桃の節句 2

きょうの自選句。遺影の祖母三十路のままや古雛 益弘

雛 雛祭 雛人形 桃の節句

きょうの自選句。玲瓏と月に醒めゐる雛かな 益弘※雛=ひいな ひひな ひな