益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

外套

きょうの自選句。なにもかも語る背中よ外套よ 益弘

寒牡丹

きょうの自選句。命懸けて寡婦の咲かせる寒牡丹 益弘

虎落笛・もがりぶえ

きょうの自選句。夜に入りて裏手にまはる虎落笛 益弘

寒林

きょうの自選句。寒林にこゑ美しく禽棲めり 益弘

日脚

きょうの自選句。吊革にゆらりと日脚伸びてをり 益弘

高山寺

きょうの自選句。鳥獣に春未だしき高山寺 益弘

寒の水 寒水 寒九の水

自選句。 寒の水逆さ金閣揺るぎなく 益弘

きょうの自選句。月に出て越のうさぎは白兎 益弘※越=こし

きょうの自選句。狼の絶滅以後の堕落かな 益弘

たまゆら

きょうの自選句。たまゆらの暮れ色を被て浮寝鳥 益弘

裸木

きょうの自選句。裸木となり単純に考へよ 益弘

外套

きょうの自選句。外套の葉巻の香こそ形見なれ 益弘

寒紅 丑紅

自選句。 寒紅や祇園は昏きところなる 益弘

霙・みぞれ

きょうの自選句。霙るゝや古町片町廓町 益弘

寒暮

きょうの自選句。わがために赤き花買ふ寒暮かな 益弘

冬銀河

きょうの自選句。点鬼簿に知らぬ名もあり冬銀河 益弘

これやこの・・・

きょうの自選句。これやこの枝垂桜の枯木かな 益弘

寒施行

きょうの自選句。寒施行鞍馬の山の魑魅にも 益弘※魑魅(すだま)

冬の蝶

きょうの自選句。冬の蝶大きあを空残しけり 益弘

三寒四温

きょうの自選句。三寒の四温の兆す雨気かな 益弘

日脚伸ぶ

きょうの自選句。一隅に蜂の屍日脚伸びてをり 益弘

寒風

きょうの自選句。寒風や紙の葬花の紙の音 益弘

母郷の山

きょうの自選句。眠れねば母郷の眠る山想ふ 益弘

寒紅

きょうの自選句。寒紅や灯りて暗き先斗町 益弘

寒卵

きょうの自選句。繰り言が母の遺言寒卵 益弘

冬深し

きょうの自選句。冬深し標本室の千の蝶 益弘

きょうの自選句。百面相一面相となりて寒 益弘

寒泳

きょうの自選句。明治より生きてゐる人寒泳す 益弘

冬眠

きょうの自選句。冬眠なき人類に鳴る目覚しよ 益弘

哥留多

きょうの自選句。蝉丸も小町もとられ負け哥留多 益弘