2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。空席が一つ密かに冬去りぬ 益弘
自選句。冬終る裸電球切れてゐて 益弘
自選句。壁の中の水の音聞く風邪心地 益弘
自選句。狐より賢からざる狐罠 益弘
自選句。島の灯が真珠のごとし春隣 益弘
自選句。薄紙の中の京菓子春近し 益弘
自選句。待春の身をひるがへす近江鯉 益弘
自選句。 雑炊にあらずリゾットちうて食ぶ 益弘
自選句。底冷の底はんなりと京ことば 益弘
自選句。運命のせゐにしてゐるおでん酒 益弘
自選句。月光のそこだけ皓し寒櫻 益弘
自選句。大寒のほのほの中の中華鍋 益弘
自選句。冬芽赤し少年はいま反抗期 益弘
自選句。吊革にゆらりと日脚伸びてをり 益弘
自選句。冬日向充電中の猫がゐる 益弘
自選句。寒の水逆さ金閣揺るぎなく 益弘
自選句。大島渚逝く寒の夜這星 益弘
自選句。北風や拳に固く無をにぎる 益弘
自選句。殲ぶとは踏むもののゐぬ雪のこと 益弘
自選句。美しき真顔に逢ひし雪の町 益弘
自選句。独身を徹す彼女の黒セーター 益弘
自選句。蜜柑に爪深く悪女かも知れず 益弘
自選句。鶴のこゑ白日輪の中にあり 益弘
自選句。冬の蠅罰があたつて生きてをり 益弘
自選句。止まり木に女将とふたり寒の雨 益弘
自選句。寒紅や祇園は昏きところなる 益弘
自選句。ばつたりと南座まへの御慶かな 益弘
自選句。白妙の嗚呼しろたへの京雑煮 益弘
自選句。恵方へと魔物の金を持ち歩く 益弘
自選句。相識らぬ幾万のかほ初まうで 益弘