益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

糸瓜 へちま

きょうの自選句。おのづから糸瓜の曲る風流かな 益弘※風流=ふりう ふうりう

秋夕焼2

きょうの自選句。コンドルが金網を咬む秋夕焼 益弘

秋夕焼

きょうの自選句。朱鷺もまた亡びたるもの秋夕焼 益弘

花野

きょうの自選句。花野ゆくいつか一人になる二人で 益弘

水澄む

きょうの自選句。これ以上水澄みぬれば死に至る 益弘

秋燕 帰燕 燕去る

きょうの自選句。さらばてふ男のことば秋燕 益弘

相撲 角力 秋場所

きょうの自選句。花道や背なで泣きをる負角力 益弘

雁 かりがね

きょうの自選句。雁や項より人老けてゆく 益弘

落鮎 錆鮎 渋鮎

きょうの自選句。鮎落ちてゆきし離宮のほとりかな 益弘

白露2

きょうの自選句。白露の全き容生れたる 益弘※容=かたち

鵙の贄 鵙の早贄

きょうの自選句。人生は永き錯覚鵙の贄 益弘

虫売

きょうの自選句。虫売のげにも静かな男かな 益弘

猿酒

きょうの自選句。猿酒にゑひ仙人になり損ふ 益弘※猿が木の洞などに蓄えていた木の実が 自然に発酵して酒になったものを云うが、多分に空想的な季語。 深山の風情があり、俳諧味がある。

温め酒 あたため酒 ぬくめ酒

きょうの自選句。みりん干し炙らむ酒をあたためむ 益弘

秋水 秋の水 2

きょうの自選句。秋水の鯉に背筋のありにけり 益弘

林檎

きょうの自選句。仮病われに母は林檎を剥きくれし 益弘

有の実 梨

きょうの自選句。有の実をいのち少なき母に剥けり 益弘

秋声 秋の声

きょうの自選句。秋声を聴く石庭の石の黙 益弘

台風 台風圏 2

きょうの自選句。約束の刻に相逢ふ台風圏 益弘

台風 台風圏

きょうの自選句。台風の逸れし立呑酒場かな 益弘

月白 月代 2

きょうの自選句。月白や誰かを待てる椅子ひとつ 益弘

月白 月代

きょうの自選句。月白や真闇に沈む南禅寺 益弘

虫の闇 虫の夜 虫の秋

きょうの自選句。耳塚の容のままに虫の闇 益弘※容=かたち

夜学子 夜学生 夜学

きょうの自選句。指にまた包帯をして夜学の子 益弘

露 2

きょうの自選句。白露やたまたま人に生れけむ 益弘

秋岳 秋の山 秋嶺 秋峰

きょうの自選句。深き襞ある秋岳を父と思ふ 益弘

小鳥来る 小鳥

きょうの自選句。曇りのち小鳥来てゐる金閣寺 益弘

男郎花

きょうの自選句。みちのくの或るみちのべの男郎花 益弘

邯鄲

きょうの自選句。邯鄲を聴くに叶ひし枕かな 益弘

鈴虫 月齢子 2

きょうの自選句。鈴虫に耳貸してをり目を閉ぢて 益弘