益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

網戸

きょうの自選句。網戸よりわたしの不在わが覗く 益弘

誘蛾灯 虫篝

きょうの自選句。情死とふ古き死に方誘蛾灯 益弘

夏座敷

きょうの自選句。真向うに如意ヶ岳据う夏座敷 益弘

冷酒 冷し酒

きょうの自選句。冷酒や放つておいてくるゝ見世 益弘

夏の蝶 夏蝶 揚羽蝶 黒揚羽

きょうの自選句。夏蝶や北緯三十八度線 益弘

螢 ほうたる 螢火 螢籠 螢狩 2

きょうの自選句。丑三つを醒めまさりゐる螢籠 益弘

螢 ほうたる 螢火 螢籠 螢狩

きょうの自選句。螢放生思ひ川とふ小流れに 益弘

牡丹 ぼうたん 富貴草 牡丹園

きょうの自選句。言の葉の乏しぼうたん讃むるには 益弘

夏の灯 夏ともし 灯涼し

きょうの自選句。高瀬川あくまで浅し灯涼し 益弘

夏の蝶

きょうの自選句。コクリコの碑に触れてゆく夏の蝶 益弘※コクリコの碑=鞍馬寺普明殿前に立つ与謝野晶子の歌碑。「ああ皐月ふらんすの野は火の色す 君もコクリコわれもコクリコ」

冷房 クーラー

きょうの自選句。冷房の効きゐて壁に原爆図 益弘

川床 川床涼み 川床料理 貴船川床

きょうの自選句。右源太といふもゆかしき貴船川床 益弘

更衣 衣更ふ

きょうの自選句。種痘痕うすくもさだか更衣 益弘

蚊遣火 蚊遣香 蚊火 蚊取線香

きょうの自選句。蚊遣火の灰となりたる昨夜のこと 益弘※昨夜=よべ

木下闇 下闇

きょうの自選句。この下闇を祇王寺と云ふべかり 益弘

滝 滝壺 瀑布 2

きょうの自選句。滝となり又滝となり又滝と 益弘

滝 滝壺 瀑布

きょうの自選句。滝壺の恐ろしければ又覗く 益弘

金魚 金魚売

きょうの自選句。金魚売もロバのパン屋もはろかなり 益弘

雨蛙 枝蛙 青蛙

きょうの自選句。狐の嫁入り雨蛙色変ふる 益弘※狐の嫁入り=天気雨、日照雨(そばえ)のこと

蛇 くちなは 青大将

きょうの自選句。無辜の蛇殺めて一つ罪ふやす 益弘

麦 穂麦 熟れ麦

きょうの自選句。少年と少女の秘密麦は穂に 益弘

葉桜 花は葉に 2

きょうの自選句。葉桜やサンドウィッチですます昼 益弘

葉桜 花は葉に

きょうの自選句。イタリアの国旗お洒落や花は葉に 益弘

卯の花腐し 卯の花曇

きょうの自選句。卯の花腐し女のかほも見飽きたる 益弘

箱庭

きょうの自選句。大きなる箱庭なりぬ嵐山 益弘

打水 水打つ

きょうの自選句。水打つて抜かりなかりぬ先斗町 益弘

立夏 夏立つ 夏来る 夏に入る

きょうの自選句。TシャツにCHANGE!の文字夏来る 益弘

木葉木菟 仏法僧

きょうの自選句。宿坊の消灯早し木葉木菟 益弘

明易し 短夜

きょうの自選句。うつ伏せに寝てゐる女明易し 益弘

夕焼 夕映 海夕焼

きょうの自選句。夕焼や薄暮ゲームと云ひし頃 益弘