益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

淡雪

きょうの自選句。淡雪や白川の風うつくしき 益弘

春の風邪

きょうの自選句。密かなる逢瀬の後の春の風邪 益弘

春の昼 春昼

きょうの自選句。しづかなる牛の反芻春の昼 益弘

仔猫

きょうの自選句。美食して元をたゞせば捨仔猫 益弘

花菜漬

きょうの自選句。日本は御飯の國や花菜漬 益弘

鳥雲に入る

きょうの自選句。少年の日のローマ字日記鳥雲に 益弘

春の宵

きょうの自選句。春宵や明朝体のうつくしき 益弘

野遊び

きょうの自選句。野遊びの犬にも笑顔ありにけり 益弘

春の闇

きょうの自選句。とうに亡き猫のこゑ聞く春の闇 益弘

蝌蚪 お玉じゃくし

きょうの自選句。蝌蚪の国蝌蚪よりをらぬ平和かな 益弘

朧夜

きょうの自選句。朧夜の抜け路地いくつ先斗町 益弘

春の夜

きょうの自選句。春の夜すぐに泣くひと泣かしけり 益弘

蜃気楼

きょうの自選句。抱擁の男女のあなた蜃気楼 益弘※男女=なんにょ

白魚

きょうの自選句。白魚の透きていのちの在りどころ 益弘

踏絵

きょうの自選句。玻璃の囲ふ踏絵もう誰も踏まぬ 益弘

きょうの自選句。三十六峰みな名をもちて霞みけり 益弘

浮氷 氷解く

きょうの自選句。消えなむとして白まさる浮氷 益弘

囀る

きょうの自選句。やすらけき死顔のうへ囀れる 益弘

紀元節 建国記念日

きょうの自選句。ひらかなのやうに雪降り紀元節 益弘

恋の猫 猫の恋 春の猫

きょうの自選句。一の丘二の丘恋の猫やあーい 益弘

しゃぼん玉

きょうの自選句。しやぼん玉割れてしやぼんの一雫 益弘

淡雪

きょうの自選句。淡雪やはんなりといふ京言葉 益弘

水の春 春の水

きょうの自選句。水の春近江に富士のありにけり 益弘

春の河

きょうの自選句。大いなる手に蛇行せる春の河 益弘

春装 春の服

きょうの自選句。春装のひと鏡より出でゆきし 益弘

立春 春立つ 寒明け

きょうの自選句。立春のなかなか立たぬ卵かな 益弘

節分

きょうの自選句。節分の鬼面を外す乙女かな 益弘

待春 春を待つ

きょうの自選句。待春の身をひるがへす近江鯉 益弘

寒の怒濤

きょうの自選句。身に響む寒の怒濤をためておく 益弘