2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。空梅雨のはたして騒ぐ群鴉 益弘
自選句。街娼の眸のあをあをと白夜かな 益弘
自選句。うつぶせに臥てゐる女明易し 益弘
自選句。雨降れば雨を愉しむ籠枕 益弘
自選句。ゴリラは怒つてゐる我は氷菓舐む 益弘
自選句。千人の千のまなざし花氷 益弘
自選句。短夜や忘れてゆきし耳飾り 益弘
自選句。明易のまなこのテストパタンかな 益弘
自選句。玉虫や形見も減りし桐箪笥 益弘
自選句。父の日の父さりげなく旅にあり 益弘
自選句。身の内の鬼を宥むる冷し酒 益弘
自選句。御来光待つ二杯目の濃き珈琲 益弘
自選句。驟雨過ぐ箸の先なる箸休め 益弘
自選句。業平の終の栖の苔の花 益弘
自選句。ハチ公はとはの忠犬梅雨滂沱 益弘
自選句。葛切や祇園の燈しうつくしき 益弘
自選句。メロン切る女将のけふの機嫌かな 益弘
自選句。出水して戻らざる亀太宰の忌 益弘
自選句。この下闇を祇王寺と云ふべかり 益弘
自選句。人間の脳重すぎる黴雨かな 益弘
自選句。人類の滅びし星のゴキカブリ 益弘
自選句。キームンの香りの向う梅雨の街 益弘
自選句。七曜の早くもめぐる四葩かな 益弘
自選句。学校に七不思議あり五月闇 益弘
自選句。梅雨晴のイノダコーヒのテラス席 益弘
自選句。現し世をいつしかはづれ螢舟 益弘
自選句。朝焼褪せ高層街衢起動する 益弘
自選句。網戸よりわたしの不在わが覗く 益弘
自選句。刑務所のほとりに佇てる白日傘 益弘
自選句。女人より泊めぬ禅林沙羅の花 益弘
