益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

白繭

きょうの自選句。白繭の静謐の夜となりにけり 益弘

夜店

きょうの自選句。鼈甲の飴の色して夜店の灯 益弘

遠花火

きょうの自選句。まなうらになほしだれけり遠花火 益弘

病葉

きょうの自選句。病葉のひとつ舞ひ上げ新宿区 益弘

サルビア

きょうの自選句。サルビアや地球の中は炎えてをり 益弘

きょうの自選句。けふの蝉かの日の蝉や忌を修す 益弘

狐雨

きょうの自選句。昼寝覚金糸のごとく狐雨 益弘

暑気払い

きょうの自選句。韓国に爆弾酒あり暑気払ひ 益弘

灯取虫

きょうの自選句。ひとりむし落つ「眠られぬ夜のために」 益弘

大暑

きょうの自選句。骨相といふ貌のある大暑かな 益弘

明易

きょうの自選句。明易のまなこのテストパタンかな 益弘

夏の夜

きょうの自選句。夏の夜のリングサイドの坩堝かな 益弘

噴水

きょうの自選句。噴水となるまで水の漂へる 益弘

網戸

きょうの自選句。網戸よりわたしの不在覗きたる 益弘

祇園祭・山鉾巡行

きょうの自選句。鉾まはす裏方の貌佳かりける 益弘

祇園祭

きょうの自選句。祇園会や亡き人過るいくたびも 益弘

肝試し

きょうの自選句。肝試しすれ違ひしは誰ならん 益弘

幽霊

きょうの自選句。いうれいに訊ねてみたる落し物 益弘

冷房

きょうの自選句。冷房に美食の猫と籠りゐる 益弘

夏のれん

きょうの自選句。一雨の予感に揺るゝ夏のれん 益弘

智恵子の空

きょうの自選句。髪切虫智恵子の空を鳴きわたる 益弘

花氷

きょうの自選句。シャンデリア花氷ある別れかな 益弘

手花火

きょうの自選句。手花火の向ふ三軒一人つ子 益弘

毛虫焼く

きょうの自選句。恍惚と炎ゆらめき毛虫焼く 益弘

柩窓

きょうの自選句。柩窓小さくてさぞ暑からむ 益弘

こころの忌

きょうの自選句。サングラス掛けてこころの忌は明けず 益弘

阿修羅

きょうの自選句。緑蔭を出でゝたちまち阿修羅なる 益弘

昼寝覚

きょうの自選句。昼寝覚シルクロードのどのあたり 益弘

青葡萄

きょうの自選句。青葡萄一音一音律ととのふ 益弘

冷素麺

きょうの自選句。ひとりごと云ひて独りの冷素麺 益弘