益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ぶんぶん かなぶん 黄金虫

きょうの自選句。ぶんぶんになりてかの日へ帰りなん 益弘

揚羽蝶 碧揚羽

きょうの自選句。巷ゆくわが碧揚羽汚るるな 益弘

蟻 蟻の国

きょうの自選句。和を以つて尊ぶ蟻の国ならむ 益弘

夏座敷

きょうの自選句。真向うに如意ヶ岳置く夏座敷 益弘

花氷

きょうの自選句。花氷華燭の典の間も痩する 益弘

蜥蜴 蜥蜴の尾

きょうの自選句。蜥蜴の尾大日輪をあなどれる 益弘

金魚2

きょうの自選句。日表ゆ日裏よろこぶ金魚かな 益弘

きょうの自選句。水槽の今の鰻を今し食ぶ 益弘

夕立

きょうの自選句。夕立や碧眼に逢ふ本能寺 益弘

冷奴

きょうの自選句。冷奴放つておいてくるゝ見世 益弘

夏の蝶

きょうの自選句。清水の舞台より翔つ夏の蝶 益弘

皐月波 五月波

きょうの自選句。皐月波響かふを身に蓄ふる 益弘

蟇(ひきがえる) 蝦蟇(がま)

きょうの自選句。蟇啼きては揺する夜のとばり 益弘

蜻蛉生まる

きょうの自選句。蜻蛉生れしばし無数の空あふぐ 益弘

蟷螂生まる 子かまきり

きょうの自選句。蟷螂の生れて散りゆく淘汰の世 益弘※生(あ)れて

滝壺

きょうの自選句。滝壺の怖ろしければ又覗く 益弘

金魚

きょうの自選句。かりそめの水に金魚の現世かな 益弘

お花畑

きょうの自選句。お花畑天に近づき人やさし 益弘

カサブランカ 百合 白百合

きょうの自選句。カサブランカ買はむ人の香消すために 益弘

更衣

きょうの自選句。冥加とも思ふ傷痕更衣 益弘

夏の星

きょうの自選句。夏の星駱駝に乗りて見てみたし 益弘

サングラス

きょうの自選句。サングラス掛けてしがらみ抜けてゆく 益弘

川床 川床涼み 川床料理

きょうの自選句。四条の灯三条の灯や川床涼し 益弘

昼寝 昼寝覚

きょうの自選句。わたくしにやをら戻りぬ昼寝覚 益弘

きょうの自選句。滝落ちてまた滝落つる放下かな 益弘※放下=ほうげ

蛇の衣

きょうの自選句。蛇の衣快楽の如く吹かれをり 益弘※快楽=けらく

鴨川踊

きょうの自選句。鴨川をどり丈高き妓もふえにけり 益弘

修司忌 寺山修司の忌

きょうの自選句。修司の忌まなかひの蝶ふつと消ゆ 益弘

柳絮 柳の絮

きょうの自選句。人民に柳絮の天となりにけり 益弘

佐保姫

きょうの自選句。佐保姫の髪の香のして風立ちぬ 益弘