益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

夕焼 ゆやけ 夕焼雲 海夕焼

きょうの自選句。わが生のどのあたりなる夕焼川 益弘

花火 揚花火 手花火 遠花火

きょうの自選句。このひとの項あえかに庭花火 益弘

玉虫 吉丁虫

きょうの自選句。玉虫や形見も減りし桐箪笥 益弘

蚊 蚊柱 藪蚊

きょうの自選句。蚊を打つてわが血に汚すわが腕 益弘

打水 水を打つ 水撒 撒水車

きょうの自選句。水打つて一見さまはお断り 益弘

西日 大西日

きょうの自選句。皆哀し西日のバスに揺られをり 益弘

泳ぎ 水泳 遠泳 競泳

きょうの自選句。立泳ぎして我在らぬ岸を見る 益弘

溽暑

きょうの自選句。百の豚に百の鼻ある溽暑かな 益弘

白夜

きょうの自選句。眠らねば明日をうしなふ白夜かな 益弘

父の日 2

きょうの自選句。さりげなく父の日の父旅にあり 益弘

父の日

きょうの自選句。父の日の父の見てゐる檻の狒々 益弘

兜虫 甲虫 さいかち虫 源氏虫

きょうの自選句。強きもの屍臭もつよし兜虫 益弘

苔の花

きょうの自選句。在五忌の過ぎたるしじま苔の花 益弘※在五忌=在原業平忌

斑猫 道をしへ

きょうの自選句。斑猫に淋しき貌を見られけり 益弘

暑し

きょうの自選句。京暑し大路を上ル下ルして 益弘

旱 旱空 旱年 大旱

きょうの自選句。旱天や眼科に暗き検査室 益弘

空梅雨 旱梅雨

きょうの自選句。空梅雨かも知れず未明の群鴉 益弘

五月闇 梅雨闇 夏闇

きょうの自選句。学校に七不思議あり五月闇 益弘

朝焼

きょうの自選句。朝焼褪せ非情の街が起動する 益弘

蜥蜴 瑠璃蜥蜴 縞蜥蜴 蜥蜴の尾

きょうの自選句。化野の西院の河原の蜥蜴の尾 益弘

蛇 くちなは ながむし 青大将

きょうの自選句。殺めたる蛇生きかへる夢の中 益弘

病葉

きょうの自選句。病葉の町川に降り町を去る 益弘

蕗 蕗の葉 蕗畑 伽羅蕗

きょうの自選句。蕗を煮て町家の奥のくらきかな 益弘

短夜 明易し 2

きょうの自選句。短夜やグラスにのこる琥珀色 益弘

短夜 明易し

きょうの自選句。短夜や忘れてゆきし耳飾り 益弘

くらげ 海月 水母

きょうの自選句。母なくて水母と書くは哀しかり 益弘

捕虫網 昆虫採集

きょうの自選句。明日のことばかり話す子捕虫網 益弘

外寝 外寝人

きょうの自選句。外寝して宇宙を游ぐ人おもふ 益弘

揚羽蝶 黒揚羽 夏の蝶 夏蝶

きょうの自選句。現し世にわが碧揚羽汚るるな 益弘

六月

きょうの自選句。全身で吸ふ六月の樹の香り 益弘