2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。この下闇を祇王寺と云ふべかり 益弘
自選句。法然院さまの下闇長ゐして 益弘
自選句。人類の殲びし星のゴキカブリ 益弘
自選句。葛切や祇園の燈しうつくしき 益弘
自選句。空梅雨のはたして騒ぐ群鴉 益弘
自選句。滝壺の恐ろしければ又覗く 益弘
自選句。滝となり又滝となり又滝と 益弘
自選句。驟雨過ぐ箸の先なる箸休め 益弘
自選句。金閣の金を見すぎし霍乱か 益弘
自選句。朝焼褪せ高層街衢起動する 益弘
自選句。片蔭もゆかしき京の町家筋 益弘
自選句。仏壇の水に泛く火蛾死んでゐず 益弘
自選句。化粧ふれば舞妓は暑さ忘じけり 益弘
自選句。清水の舞台より翔つ夏の蝶 益弘
自選句。六月の樟の香の雨降りにけり 益弘
自選句。父の日の父さりげなく旅にあり 益弘
自選句。百の豚百の鼻ある溽暑かな 益弘
自選句。忘れゐし魚と眼の合ふ冷蔵庫 益弘
自選句。女人より泊めぬ禅林沙羅の花 益弘
自選句。美しき距離ハンカチのなほ振られ 益弘
自選句。七曜の早くもめぐる四葩かな 益弘
自選句。ゴリラは怒つてゐる我は氷菓舐む 益弘
自選句。梅雨晴のイノダコーヒのテラス席 益弘
自選句。鑑真の聞きおはします梅雨の闇 益弘
自選句。キームンの香りの向う梅雨の街 益弘
自選句。ハチ公はとはの忠犬梅雨滂沱 益弘
自選句。扇風機めし屋の壁に裕次郎 益弘
自選句。見てしまひぬ毛虫の一つ二つ百 益弘
自選句。蕗を煮て町家の奥の暗きかな 益弘
自選句。種痘痕うすくもさだか更衣 益弘