益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

桜 朝桜 夕桜 夜桜 淡墨桜 3

自選句。老人の眼のすぐ潤む櫻かな 益弘

花曇 養花天

自選句。はんなりといふ京言葉花ぐもり 益弘

絵踏 踏絵

自選句。もう誰も踏まざる踏絵玻璃囲ひ 益弘

春愁 春思 春恨 春怨 春愁ひ

自選句。揺椅子にゆらりと春の愁かな 益弘

花の雨 花時雨 2

自選句。花しぐれ花を少しく冷ましけり 益弘

花の雨 花時雨

自選句。一力に停まるハイヤー花しぐれ 益弘

春の月 春月 春満月 春月夜 2

自選句。春の月眺めてをれば二胡噎ぶ 益弘

風光る 光風

自選句。風光る海馬の中のラ・マンチャに 益弘

桜 朝桜 夕桜 夜桜 淡墨桜 2

自選句。一服の向精神薬夜の櫻 益弘

春の蠅 蠅生る 蠅の子

自選句。日蔭より日影へ蠅の生れたる 益弘

春分 中日

自選句。春分の小鳥のやうに早起きし 益弘

春の夢 2

自選句。ピサの斜塔やはり傾く春の夢 益弘

花冷 花の冷

自選句。花冷のほそく開きしフランス窓 益弘

桜 朝桜 夕桜 夜桜 淡墨桜

自選句。USBメモリにしまふ櫻かな 益弘

鳥曇 鳥風

自選句。鳥曇別るゝために邂ひしとも 益弘

麗か うらら うららけし 麗日 うらうら 2

自選句。あぶり餅炙る煙もうららなり 益弘

初桜 初花

自選句。あをあをと潮満ち来る初桜 益弘

春休み

自選句。ジャムを煮て学生妻の春休み 益弘

山笑ふ 笑ふ山

自選句。ひそやかにして死火山も笑ふ山 益弘

猫の子 仔猫 猫の親 猫生まる 2

自選句。西方へ仔猫を追ひて行つたきり 益弘

春寒 春寒し 寒き春 料峭

自選句。春寒料峭ひとひら喪の葉書 益弘

冴返る 寒戻る 凍返る しみ返る

自選句。下京の路地の奥より冴返る 益弘

麗か うらら うららけし 麗日 うらうら

自選句。ギモーヴちふ仏蘭西の菓子うららかや 益弘

卒業 卒業式 卒業期 卒業歌 卒業証書 卒業生

自選句。卒業歌半ばにまなこ潤みしこと 益弘

霾 霾ぐもり 霾風 黄砂 黄沙 胡沙荒る

自選句。泣く笑ふ睦む争ふ霾天下 益弘

朧 草朧 鐘朧 影朧 2

自選句。占ひにひらくてのひら朧なる 益弘

木の芽 木の芽雨 木の芽風 芽吹く 芽立ち 芽組む

自選句。山彦の山奥へ去る木の芽かな 益弘

蜃気楼 海市 山市 蜃楼(かひやぐら)

自選句。抱擁のあなたに海市崩れ初む 益弘

雛祭 桃の節句 雛 ひひな 菱餅 白酒 雛の間

自選句。おそろしきものに女雛の細目かな 益弘

朝寝

自選句。雨音のつゆ憎からぬ朝寝かな 益弘