2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。老人の眼のすぐ潤む櫻かな 益弘
自選句。はんなりといふ京言葉花ぐもり 益弘
自選句。もう誰も踏まざる踏絵玻璃囲ひ 益弘
自選句。揺椅子にゆらりと春の愁かな 益弘
自選句。花しぐれ花を少しく冷ましけり 益弘
自選句。一力に停まるハイヤー花しぐれ 益弘
自選句。春の月眺めてをれば二胡噎ぶ 益弘
自選句。風光る海馬の中のラ・マンチャに 益弘
自選句。一服の向精神薬夜の櫻 益弘
自選句。日蔭より日影へ蠅の生れたる 益弘
自選句。春分の小鳥のやうに早起きし 益弘
自選句。ピサの斜塔やはり傾く春の夢 益弘
自選句。花冷のほそく開きしフランス窓 益弘
自選句。USBメモリにしまふ櫻かな 益弘
自選句。鳥曇別るゝために邂ひしとも 益弘
自選句。あぶり餅炙る煙もうららなり 益弘
自選句。あをあをと潮満ち来る初桜 益弘
自選句。ジャムを煮て学生妻の春休み 益弘
自選句。ひそやかにして死火山も笑ふ山 益弘
自選句。西方へ仔猫を追ひて行つたきり 益弘
自選句。春寒料峭ひとひら喪の葉書 益弘
自選句。下京の路地の奥より冴返る 益弘
自選句。ギモーヴちふ仏蘭西の菓子うららかや 益弘
自選句。卒業歌半ばにまなこ潤みしこと 益弘
自選句。泣く笑ふ睦む争ふ霾天下 益弘
自選句。占ひにひらくてのひら朧なる 益弘
自選句。山彦の山奥へ去る木の芽かな 益弘
自選句。抱擁のあなたに海市崩れ初む 益弘
自選句。おそろしきものに女雛の細目かな 益弘
自選句。雨音のつゆ憎からぬ朝寝かな 益弘