益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

寒林

きょうの自選句。寒林にこゑ美しく禽の棲む 益弘

虎落笛

きょうの自選句。虎落笛ゐつく物干し母は亡き 益弘

隙間風

きょうの自選句。国宝の大方丈の隙間風 益弘

冬の虫

きょうの自選句。消ゴムで消せばすむこと冬の虫 益弘

襟巻

きょうの自選句。襟巻の狐がじつと我を見る 益弘

海鼠

きょうの自選句。海鼠から宇宙に及ぶ夜話となり 益弘

東京の狸

きょうの自選句。東京にカチカチ山の狸かな 益弘※東京に狸が棲んでいる。二十三区全てに棲息しているという。 その「東京の狸」を採り上げたNHKの番組は 高視聴率だったそうだ。 視聴者はどんな思いで視ていたのであろう?

勤労感謝の日

きょうの自選句。止まり木にひとり勤労感謝の日 益弘

冬の蝿

きょうの自選句。飛ぶことを忘じてをりぬ冬の蝿 益弘

再び、しぐれ

きょうの自選句。ジョン・レノン想ひだしたる時雨かな 益弘

猟夫(さつお・りょうふ)

きょうの自選句。吾は聞かず猟夫の耳の聞きし音 益弘

夕時雨

きょうの自選句。三条に大橋小橋ゆふしぐれ 益弘

ボジョレーヌーボー

きょうの自選句。ボジョレーヌーボーたまゆらをひとと酌む 益弘

煖房・暖房

きょうの自選句。音もなく怒濤砕くる煖房車 益弘

湯冷

きょうの自選句。ひいてゆく汐うつくしき湯冷かな 益弘

暖冬

きょうの自選句。暖冬やびつくりもせぬびつくり箱 益弘

冬籠

きょうの自選句。粘菌を視る虫眼鏡冬籠り 益弘

山眠る

きょうの自選句。水晶を育める山深ねむる 益弘

冬の水

きょうの自選句。金閣に逆さ金閣冬の水 益弘

冬の雨

きょうの自選句。冬雨のあたゝかかりし逢瀬かな 益弘

短日

きょうの自選句。西陣の機織る音や日短か 益弘※「日短か」と使った時は、 俳句では「ひいみじか」と敢えて五音に読む。 「日の短か」「日短し」とする手もある。

きょうの自選句。狐罠より古狐かしこけれ 益弘

きょうの自選句。凩の蒼き星屑掃きのこす 益弘

屏風

きょうの自選句。六曲一双水奔る屏風かな 益弘

枯蟷螂

きょうの自選句。首を傾げて蟷螂の枯れてをり 益弘

しぐれ・時雨

きょうの自選句。一本の傘買ふ二人小夜しぐれ 益弘

秋の潮

きょうの自選句。秋潮の真青きことよ恐いほど 益弘

明治節・文化の日

きょうの自選句。明治節日本晴とぞなりにける 益弘

秋深し

きょうの自選句。深秋の一人に一つ影ぼふし 益弘

山粧う

きょうの自選句。粧へる山ふところの荼毘の径 益弘