益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

天高し 空高し 秋高し 高き空

自選句。 人死して煙となりて秋高き 益弘

鵙 百舌鳥 伯労鳥 鵙日和 鵙の晴 鵙猛る 鵙の声 鵙の高音.

自選句。 鉛筆の芯をするどく鵙日和 益弘

鳥渡る 渡り鳥

自選句。 鳥渡る宙に起伏のある如く 益弘

温め酒 酒温む

自選句。 医のゆるす一合の酒温めむ 益弘

秋思 秋愁 秋懐 傷秋 秋あはれ 秋さびし

自選句。 百獣の王と眼の合ふ秋愁 益弘

秋風 秋の風 素風 金風 鳩吹く風

自選句。 秋風や供華ある仏なき仏 益弘

霜降

自選句。 玲瓏と霜降の空ありにけり 益弘

秋深し 深秋 秋深む 秋さぶ

自選句。 秋深し振り子時計の振り子音 益弘

秋の暮

自選句。 たれかれのそびらがとほし秋の暮 益弘

秋惜しむ 惜秋

自選句。 惜秋や骨董街をたもとほり 益弘

黄落 黄落期

自選句。 デッサンの線走らせて黄落季 益弘

雁 かりがね 真雁 初雁 雁渡る 雁来る 雁の列 雁の棹 雁行 雁の声 落雁

自選句。 二階には二階の風や雁のこゑ 益弘

釣瓶落し

自選句。 釣瓶落し宇治の早瀬に見了んぬ 益弘

柿 甘柿 渋柿 富有柿 木守柿 熟柿

自選句。 日本の色となりたる熟柿かな 益弘

梨 洋梨 ラフランス

自選句。 殺されしスパイの好きしラフランス 益弘

秋の暮

自選句。 かげぼふしより歩き出す秋の暮 益弘

夜長 長き夜

自選句。 我無言妻多言なる夜長酒 益弘

秋の昼寝

自選句。 古民家の秋の昼寝によき柱 益弘

雁 初雁 雁の声 雁渡る

自選句。 二階には二階の風や雁のこゑ 益弘

火恋し

自選句。 おもひだす女の体温火恋し 益弘

竹の春 竹春

自選句。 のゝ宮に恋の絵馬殖ゆ竹の春 益弘

夜寒 宵寒 夜寒し

自選句。 猫抱きて猫につぶやく夜寒かな 益弘

夜業 夜なべ

自選句。 時計とふ非情の機械夜業人 益弘

霧 朝霧 夕霧 夜霧 山霧 川霧 狭霧 霧襖 濃霧 霧雨 霧笛

自選句。 何もたらすや霧のなか霧うごき 益弘

夜学 夜学子 夜学生

自選句。 指にまた包帯をして夜学生 益弘

菊 菊の花 白菊 黄菊 大菊 小菊 懸崖菊 厚物咲 菊の宿 菊日和

自選句。 鳥は翔び人は歩みて菊日和 益弘

菊 菊の花 白菊 黄菊 大菊 小菊 懸崖菊 厚物咲 菊の宿 菊日和

自選句。 仏壇の塵を許さず菊かをる 益弘

薄紅葉

自選句。 ひとづまと訪ぬる嵯峨の薄紅葉 益弘

冷ゆ

自選句。 脳のこと考ふる脳冷ゆるなり 益弘