2004-09-01から1ヶ月間の記事一覧
きょうの自選句。風につく名前もかはり温め酒 田畑益弘※風の名前1 風の名前2
きょうの自選句。韋駄天といふ神走る秋の空 田畑益弘※
きょうの自選句。秋水の鯉に背筋のありにけり 田畑益弘
きょうの自選句。黄なる蝶まぎれまぎれず芋嵐 田畑益弘※「芋嵐」阿波野青畝の 案山子翁あち見こち見や芋嵐という一句が有名になり、芋嵐が単独で季語として用いられるようになった。
きょうの自選句。眠たげなブルース鳴りて無月かな 田畑益弘※Blues Alley Japanへ
きょうの自選句。千年の水千本の萩の花 田畑益弘※梨の木神社萩まつり 京都御所の東側に位置する梨の木神社には千本の萩の木が茂り、萩の名所として知られる。祭典では紅白の萩の花と鈴虫をカゴに入れて神前に供える。俳句大会で詠まれた句をしたためた短冊が…
きょうの自選句。温め酒マーロン・ブランド逝きしこと 田畑益弘※マーロン・ブランド
きょうの自選句。きぬぎぬに鳴き初めにけり草ひばり 田畑益弘※草ひばりには「朝鈴」という別名がある。そのフィリリリリ・・・と澄んだ、涼やかな声を聞かれた方も多かろう。もちろん夕刻にも鳴くが、他の虫が静かにしている早朝に鳴くので、特に目立つのであ…
きょうの自選句。コロッケを一つ貰ひし夜食かな 田畑益弘※コロッケが好きである、嫌いな人は先ずいないと思うが・・・。以前、デパ地下で有名な「○○コロッケ」を沢山買って彼女と二人、植物園に行ったことがある。しかし、冷めたコロッケは実にまずい、半分食べ…
きょうの自選句。致死量の秋思抱へて生きてをる 田畑益弘
きょうの自選句。童謡は憶えてをられ敬老日 田畑益弘
きょうの自選句。みくじ吉二百二十日の枝に結はふ 田畑益弘※「結(ゆ)はふ」は「結ふ」の未然形に継続の助動詞「ふ」がついたもので、ほとんど一語化している。「笑まふ」「踏まふ」「語らふ」「住まふ」「響かふ」など同様の語は多々ある。
きょうの自選句。梨喰みて淋しい人の淋しい音 田畑益弘
きょうの自選句。何もかも昭和のことと温め酒 田畑益弘
きょうの自選句。無月にて車窓にうつる己が貌 田畑益弘
きょうの自選句。化石竜見てゐて残り蚊に喰はる 田畑益弘
きょうの自選句。葬家へとつづく矢印秋の風 田畑益弘
きょうの自選句。かなかなが鳴くキーボード早打ちに 田畑益弘
きょうの自選句。きりぎりす二匹にすれば鳴かずなり 田畑益弘※幼い頃、「ぎす売り」がよく来た。竹を編んだ虫籠にきりぎりすが一匹。虫売りが黙っていても、きりぎりすがめいめいに鳴いて自ずから「商い」をしていた。父母にねだってよく買ってもらったもので…
きょうの自選句。硬貨になほ年号昭和鳥渡る 田畑益弘
きょうの自選句。サルトルの貌にはじまる秋思かな 田畑益弘
きょうの自選句。その昔マルクス主義者温め酒 田畑益弘
きょうの自選句。人間はみんな悪もの狐罠 田畑益弘※「狐罠」は冬季の季語「狐」の傍題。先取りして詠むのが私の癖だが、かなりフライイング。餌を求めて鹿、猪、熊、狐などが出てくるが、彼らにも生存する権利がある。ざっくばらんに言えばわれわれと同様に「…
きょうの自選句。五分前にいつも来るひと台風圏 田畑益弘
きょうの自選句。鮭打ち終へ男に人の貌もどる 田畑益弘
きょうの自選句。羚羊の視線を逸らす秋気かな 田畑益弘
きょうの自選句。秋の田のはたらく人に会釈せり 田畑益弘※「秋の田のはたらく人に会釈」するのは、一つの「礼儀」かもしれない。しかし、それはごく自然に出る行為なのだ。それは、農耕民族日本人に特有な行動なのか?その会釈はわれわれ日本人のみの「美徳」…
きょうの自選句。無窮へと消ぬべく星の流れけり 田畑益弘※「消ぬ」は「けぬ」と読む。「消えてしまう」ということ。「消・け」は「消ゆ」の未然形「きえ」の省略形が一語化した。完了の助動詞「ぬ」とともに、「消ぬ」の形で用いることが多い。よって「消ぬべく…
きょうの自選句。朝顔の紺を愛する家系かな 田畑益弘
きょうの自選句。秋の夜の振子時計の振子音 田畑益弘