益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

片蔭 日陰 夏陰 片かげり

自選句。 片蔭へ片蔭へ年取りにけり 益弘

熱帯夜

自選句。 熱帯夜草木もねむる丑三か 益弘

草笛 麦笛

自選句。 学校に来ぬ子草笛上手なり 益弘

海月 水母 鰹の烏帽子

自選句。 新宿を海と思へばくらげかな 益弘

紫陽花 四葩 七変化

自選句。 あぢさゐや傘相ふれて相しらず 益弘

緑蔭 翠蔭

自選句。 緑蔭や二人ときどきものを言ふ 益弘

泳ぎ 水泳 水練 遊泳 遠泳 競泳 クロール 平泳ぎ 背泳ぎ バタフライ 立泳ぎ 飛び込み 浮輪

自選句。 いちづに空青く背泳孤独なり 益弘

白夜

自選句。 街娼の眸のあをあをと白夜かな 益弘

百足

自選句。 百足死し遅れて百の足が死す 益弘

御来迎 御来光 円虹

自選句。 御来光待つ二杯目の濃き珈琲 益弘

花氷 氷柱 氷彫刻

自選句。 千人の千のまなざし花氷 益弘

涼し 朝涼 夕涼 晩涼 夜涼 涼風 涼気 水涼し 庭涼し 鐘涼し

自選句。 涼しさの譬へば窓のある封書 益弘

夏の月 月涼し 梅雨の月

自選句。 夏月やふわりと豆腐沈みたる 益弘

風死す

自選句。 黙祷の一分間を風死せり 益弘

螢 源氏螢 平家螢 螢合戦 螢火 初螢 恋螢

自選句。 掻い抱けば仄と蛍のにほひせり 益弘

玉虫 吉丁虫

自選句。 玉虫や形見も減りし桐箪笥 益弘

梅雨 黴雨 走り梅雨 青梅雨 荒梅雨 梅雨空 梅雨雲 梅雨前線 男梅雨 長梅雨 迎へ梅雨 送り梅雨 戻り梅雨 梅雨湿り 梅雨夕焼

自選句。 ハチ公はとはの忠犬梅雨滂沱 益弘

五月闇 梅雨の闇 夏の闇

自選句。 学校に七不思議あり五月闇 益弘

六月

自選句。 六月の樟の香の雨降りにけり 益弘

涼し 朝涼 夕涼 晩涼 夜涼 涼風 涼気 水涼し 庭涼し 鐘涼し

自選句。 涼しさや水にまぎれし水くらげ 益弘

木下闇 木の下闇 下闇 青葉闇

自然句。 法然院さまの下闇長居して 益弘

端居 夕端居

自選句。 母逝きて父の端居の永くなり 益弘

夕立 ゆだち よだち 白雨 夕立晴 夕立雲 驟雨

自選句。 夕立あとなかなか香る東京都 益弘

夏の蝶 夏蝶 揚羽蝶 青筋揚羽 黒揚羽 梅雨の蝶

自選句。 百里来て暫しの思案梅雨の蝶 益弘

溽暑

自選句。 百の豚百の鼻ある溽暑かな 益弘

網戸

自選句。 網戸よりわたしの不在わが覗く 益弘

油虫 ごきぶり 御器噛

自選句。 人類の滅びし星のゴキカブリ 益弘

蛍狩 蛍見 蛍見物 蛍舟

自選句。 現し世をいつしかはづれ螢舟 益弘

夏の月 月涼し 梅雨の月

自選句。 頓堀に男前なる夏の月 益弘

蛇 くちなは ながむし 青大将 縞蛇 烏蛇 山楝蛇 赤楝蛇

自選句。 蛇に遭ひ遂に神とは邂はざりき 益弘