益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

きょうの自選句。日本の色になりつる熟柿かな 益弘

威し銃

きょうの自選句。谺して山河あらたし威し銃 益弘

菊枕

きょうの自選句。亡き人と夢にまみえし菊枕 益弘

胡桃

きょうの自選句。癒ゆる日へ胡桃を握りにぎりゐる 益弘

帰燕

きょうの自選句。日時計の影鋭角に帰燕かな 益弘

草虱

きょうの自選句。はろばろと帰り来たれば草虱 益弘

男郎花

きょうの自選句。みちのくの或るみちのべの男郎花 益弘

秋風

きょうの自選句。秋風やひとつ喪ふ永久歯 益弘

夜長

きょうの自選句。長き夜の「偸盗」「好色」「藪の中」 益弘

秋日和

きょうの自選句。鳥は飛び人は歩みて秋日和 益弘

秋麗

きょうの自選句。そらいろの水みづいろの空秋うらら 益弘

露けし

きょうの自選句。つゆけしや吉田松陰「留魂録」 益弘

秋澄む

きょうの自選句。生きて死ぬそれだけのこと秋澄めり 益弘

無月

きょうの自選句。黒猫の瞳の金色(こんじき)の無月かな 益弘

良夜

きょうの自選句。悠仁さま、ご退院を祝して高野槇そびへて蒼き良夜かな 益弘

夜学子

きょうの自選句。指にまた包帯をして夜学の子 益弘

銀河

きょうの自選句。死ぬ人に障子をひらく銀河かな 益弘

有りの実・梨

きょうの自選句。有りの実を命少なき母に剥く 益弘

林檎2

きょうの自選句。愛さねば林檎のすぐにカーキ色 益弘

林檎

きょうの自選句。仮病われに母は林檎を剥きくれし 益弘

零余子・むかご

きょうの自選句。父が炊き母に供ふる零余子飯 益弘

秋の声

きょうの自選句。銀閣に銀箔あらず秋のこゑ 益弘

萩の花

きょうの自選句。京都、梨の木神社にて千年の水千本の萩の花 益弘

天高し

きょうの自選句。一塵のごと吹かれゐて天高し 益弘

秋高し

きょうの自選句。珠のごときをのこご生まる秋高し 益弘

鈴虫

きょうの自選句。鈴虫の鈴の裡なる睡りかな 益弘

新米

きょうの自選句。母郷よりとゞく新米母亡くも 益弘

松虫

きょうの自選句。松虫や夢の中にも水流れ 益弘

美しき数式

きょうの自選句。美しき数式はあり秋の雲 益弘

颱風の目

きょうの自選句。颱風の目のひとときの逢瀬かな 益弘