2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。母逝きて父の端居の永くなり 益弘
自選句。小面のゑみ恐ろしき五月闇 益弘
自選句。まつすぐな胡瓜つまらぬ世となりし 益弘
自選句。容赦なく急ぎ去るもの蚊遣香 益弘
自選句。故郷の先づはおはぐろとんぼかな 益弘
自選句。華燭とふ一つの別れ花氷 益弘
自選句。玉虫や形見も減りし桐箪笥 益弘
自選句。ヤマトンチュと呼ばれ泡盛ふるまはれ 益弘
自選句。六月の樟の香の雨降りにけり 益弘
自選句。山椒魚人間嫌ひに徹しけり 益弘
自選句。ハチ公はとはの忠犬梅雨滂沱 益弘
自選句。学校に来ぬ子草笛上手なり 益弘
自選句。驟雨過ぐ箸の先なる箸休め 益弘
自選句。父の日の父さりげなく旅にあり 益弘
自選句。ハーモニカつたなく鳴りて緑の夜 益弘
自選句。美しき思案のさ中梅雨の蝶 益弘
自選句。キームンの香りの向う梅雨の街 益弘
自選句。この下闇を祇王寺と云ふべかり 益弘
自選句。朝焼褪せ高層街衢起動する 益弘
自選句。短夜の逢瀬のための時刻表 益弘
自選句。梅雨晴のイノダコーヒのテラス席 益弘
自選句。雨降れば雨を愉しむ籠枕 益弘
自選句。鑑真の聞きおはします五月闇 益弘
自選句。淡墨に暮れてうつくし梅雨の京 益弘
自選句。街娼の眸のあをあをと白夜かな 益弘
自選句。網戸よりわたしの不在わが覗く 益弘
自選句。百の豚百の鼻ある溽暑かな 益弘
自選句。七曜の早くもめぐる四葩かな 益弘
自選句。短夜や忘れてゆきし耳飾り 益弘
自選句。嶮にして泉へつゞくけもの道 益弘