益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

行く秋 秋行く 秋終る

きょうの自選句。鳴き砂を歩々に鳴かせて行く秋ぞ 益弘

惜秋 秋惜しむ

きょうの自選句。惜秋や骨董の町たもとほり 益弘

飛蝗 はたはた きちきち

きょうの自選句。ばつた跳び亜細亜大陸蒼茫たり 益弘

虫音 虫の夜 虫の秋

きょうの自選句。読みさしに戯曲を閉づる虫音かな 益弘

芋の露

きょうの自選句。芋の露笑ひ転ぐる天地かな 益弘

猿酒 2

きょうの自選句。猿酒を猿と酌みけり佳き夢よ 益弘

鳥渡る 渡り鳥

きょうの自選句。亡き数に入るといふこと鳥渡る 益弘

冷やか

きょうの自選句。冷やかにきのふを見られゐたりけり 益弘

蚯蚓鳴く

きょうの自選句。蚯蚓鳴くこゝは六道珍皇寺 益弘

時代祭

きょうの自選句。時代祭日本晴とぞなりにける 益弘

爽やか 爽涼 爽気 秋爽

きょうの自選句。さはやかに何もせぬ手が二つかな 益弘

柳散る

きょうの自選句。かにかくに白川へ散る柳かな 益弘

紅葉且つ散る

きょうの自選句。紅葉且つ散りてお薄を所望かな 益弘

秋燈 秋灯 秋ともし

きょうの自選句。をんなよりをやま美し秋燈 益弘

紅葉2

きょうの自選句。紅葉して嵯峨は祇王寺より昏るる 益弘

紅葉

きょうの自選句。己が紅さに愕けるもみぢかな 益弘

天の川 銀河 銀漢 星河

きょうの自選句。天の川抜けたる一歯屋根に捨つ 益弘

秋思 2

きょうの自選句。化野に蝶見てよりの秋思かな 益弘※化野=あだしの

秋思 秋意 秋愁

きょうの自選句。この秋思よみひとしらず読みてより 益弘

釣瓶落し 2

きょうの自選句。釣瓶落し宇治の早瀬に見をはんぬ 益弘

秋日 秋の日 秋日影

きょうの自選句。爬虫類つぶさに視たる秋日かな 益弘

秋闌ける 秋深し 深秋

きょうの自選句。松花堂弁当に秋闌けにけり 益弘

秋澄む 秋気澄む 空澄む

きょうの自選句。秋澄みて羚羊の眼を背に感ず 益弘

冷ゆ 冷やか 秋冷

きょうの自選句。凭れゐて生家の壁の冷え親し 益弘

秋の夜

きょうの自選句。秋の夜やひとりの酒の琥珀色 益弘

釣瓶落し

きょうの自選句。釣瓶落し止まり木にまだ一人かな 益弘

秋の暮

きょうの自選句。誰れかれの背がとほし秋の暮 益弘※背=そびら

灯火親し

きょうの自選句。明朝体美し灯火親しめり 益弘

秋草 色草 千草 八千草

きょうの自選句。秋草に来てしづもれる拳かな 益弘

菊日和

きょうの自選句。鳥は翔び人は歩みて菊日和 益弘