益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

紅葉且つ散る

自選句。もみぢ且つ散りゐて祇王祇女の墓 益弘

鹿 鹿鳴く

自選句。鳴く鹿に小糠雨降る宵も来ぬ 益弘

冷まじ

自選句。冷まじや紙の葬花の紙の音 益弘

夜長 長き夜

自選句。ひとゝせの短さ夜の長さかな 益弘

濁り酒 どぶろく 濁酒

自選句。鬼がゐてうはばみがゐて濁酒かな 益弘

秋惜しむ

自選句。惜秋や骨董街をたもとほり 益弘

黄落 黄落期

自選句。デッサンの線走らせて黄落季 益弘

菊月

自選句。菊月や錦にそろふ旬のもの 益弘

末枯

自選句。川の名も変りて水も末枯るゝ 益弘

時代祭

自選句。時代祭御維新の音に天高し 益弘

薄紅葉

自選句。ひとづまと訪ぬる嵯峨の薄紅葉 益弘

秋深し 深秋 秋深む 秋さぶ

自選句。百獣の王の瞑想秋深し 益弘

釣瓶落し

自選句。釣瓶落し宇治の早瀬に見了んぬ 益弘

秋闌ける 秋たけなは

自選句。松花堂弁当に秋闌けにけり 益弘

雁 かりがね 真雁 初雁 雁渡る 雁来る 雁の列 雁の棹 雁行 雁の声 落雁

自選句。二階には二階の風や雁の声 益弘

竜田姫

自選句。ねもごろに紅を注しゐる竜田姫 益弘

柳散る 2

自選句。柳散るぎをん新橋巽橋 益弘

火恋し

自選句。おもひだす女の体温火恋し 益弘

柿 甘柿 渋柿 富有柿 次郎柿 熟柿 木守柿 柿日和

自選句。日の本の色となりたる熟柿かな 益弘

柳散る

自選句。ふりむけばすでにたそかれ柳散る 益弘

菊 菊の花 白菊 黄菊 大菊 小菊 懸崖菊 厚物咲 菊の宿 菊日和 2

自選句。仏壇の塵を許さず菊かをる 益弘

秋の雲 秋雲 2

自選句。秋雲やフーテンの寅永遠なり 益弘

菊 菊の花 白菊 黄菊 大菊 小菊 懸崖菊 厚物咲 菊の宿 菊日和

自選句。深々と菊の香を吸ふ訣れかな 益弘

夜業 夜なべ

自選句。時計とふ非情の機械夜業人 益弘

霧 朝霧 夕霧 夜霧 山霧 川霧 狭霧 霧襖 濃霧 霧雨 霧笛 2

自選句。再会を誓ふシスコの夜霧かな 益弘

霧 朝霧 夕霧 夜霧 山霧 川霧 狭霧 霧襖 濃霧 霧雨 霧笛

自選句。何もたらすや霧のなか霧うごき 益弘

夜寒 宵寒 夜寒し

自選句。猫抱きて猫につぶやく夜寒かな 益弘

冷ゆ

自選句。脳のこと考ふる脳冷ゆるなり 益弘

秋思 秋愁 秋懐 傷秋 秋あはれ 秋さびし

自選句。 うつくしき山の容の秋思かな 益弘 ※容=かたち

秋の蝶 秋蝶 3

自選句。秋蝶の何かせはしき花背かな 益弘