益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

まいまい 鼓虫 水澄

きょうの自選句。まひまひの舞に落日落ちかぬる 益弘

揚花火

きょうの自選句。揚花火十万発の平和かな 益弘

蝉2

きょうの自選句。仰向けに死するしあはせ油蝉 益弘

遠花火

きょうの自選句。かの日より止まりし時計遠花火 益弘

病葉

きょうの自選句。病葉の町川に降り町を去る 益弘

晩夏光 晩夏 夏深し

きょうの自選句。天体になれぬ砲丸晩夏光 益弘

灯取虫 火虫 火蛾 灯蛾

きょうの自選句。灯取虫落ちて足掻ける革命史 益弘

胆試し 百物語 怪談 2

きょうの自選句。胆試しすれ違ひしは誰ならん 益弘

百物語 怪談 胆試し

きょうの自選句。らふそくの火が一つ百物語 益弘

燕の子 子燕

きょうの自選句。口あけて口の数だけ燕の子 益弘

夏休み 夏期休暇

きょうの自選句。骸骨に白布被せて夏休み 益弘

きょうの自選句。けふの蝉かの日の蝉や忌を修す 益弘

きょうの自選句。あの夏の納屋に終りし少年期 益弘

西日

きょうの自選句。銭落とすなど大阪の西日中 益弘

祇園祭 鉾

きょうの自選句。鉾廻すをとこの気負ひ美しき 益弘

蝉時雨

きょうの自選句。葬の始めも葬の終りも蝉しぐれ 益弘

立泳ぎ 泳ぎ 水泳

きょうの自選句。我が不在の岸を眺むる立泳ぎ 益弘

祇園囃子

きょうの自選句。夜空より枝垂れて祇園囃子かな 益弘

箱釣 金魚掬い 夜店

きょうの自選句。箱釣や事切れたるも漂へる 益弘

二階囃子

きょうの自選句。夜風出て二階囃子の裏通り 益弘※二階囃子とは祇園囃子の練習のこと。 鉾町の町家、町会所の二階などで行われた。

きょうの自選句。羚羊のわれを見てゐる泉かな 益弘

夏芝居

きょうの自選句。をんなよりをやま奇麗な夏芝居 益弘

炎暑 炎熱 炎ゆ

きょうの自選句。くらがりに眼の玉うごく炎暑かな 益弘

溽暑

きょうの自選句。百の豚百の鼻ある溽暑かな 益弘

花火

きょうの自選句。庭花火このひとの耳美しき 益弘

炎天

きょうの自選句。炎天に抗ふ黙を通しけり 益弘※黙=もだ

夏の河 夏の川

きょうの自選句。夏の河ふぐりを緊めて徒渡る 益弘

白鷺

きょうの自選句。一双の白鷺を見て涼みけり 益弘

ほととぎす2 不如帰 杜宇 蜀魂

きょうの自選句。不如帰かの世の空も青からむ 益弘※ほととぎすの異称「杜宇」「蜀魂」「不如帰」は、《古代の蜀国の王・杜宇が、故郷を離れ彷徨ううちにその魂が変化してホトトギスになった》という中国の伝説にもとづく。中国ではホトトギスは今も「不如帰(帰るに…

浴衣

きょうの自選句。浴衣着てけふは暇のおちょぼかな 益弘※暇=いとま