2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。 空席が一つ密かに冬去りぬ 益弘
自選句。 薄紙の中の京菓子春近し 益弘
自選句。 月光のそこだけ皓し寒櫻 益弘
自選句。 島の灯が真珠のごとし春隣 益弘
自選句。 火事跡を離れぬ犬のをりしこと 益弘
自選句。 深海の如き夜天や寒の月 益弘
自選句。 レンズに土星蒼かりし湯冷かな 益弘
自選句。 寡婦よりのあえかに香る賀状かな 益弘
自選句。 待春の身をひるがへす近江鯉 益弘
自選句。 ロボットの犬撫でやれば冷たさよ 益弘
自選句。 とほくより来てとほく行く冬の蝶 益弘
自選句。 寒泳の老いの抜き手のうつくしく 益弘
自選句。 美しく氷河に眠りゐるひとよ 益弘
自選句。 吊革にゆらりと日脚伸びてをり 益弘
自選句。 寒紅や祇園は昏きところなる 益弘
自選句。 冬の蠅罰があたつて生きてをり 益弘
自選句。 ばつたりと南座まへの御慶かな 益弘
自選句。 高層街衢手毬つく子の一人きり 益弘
自選句。 独身を徹す彼女の黒セーター 益弘
自選句。 寒の水逆さ金閣揺るぎなく 益弘
自選句。 月に出て越のうさぎは白兎 益弘
自選句。 白妙の嗚呼しろたへの京雑煮 益弘
自選句。 北風や拳に固く無をにぎる 益弘
自選句。 初夢の亡き人々に賑はへる 益弘
自選句。 止まり木に女将とふたり寒の雨 益弘
自選句。 恵方へと魔物の金を持ち歩く 益弘
自選句。 蝉丸も小町もとられ負け歌留多 益弘
自選句。 虚しさのその大きさの雪仏 益弘
自選句。 ワインロゼ互みに酌みて姫始 益弘
自選句。 ひそやかに一歯喪ふお正月 益弘