益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2006-04-01から1ヶ月間の記事一覧

若葉光

きょうの自選句。書を読みて人を厭ひし若葉光 益弘

こころ

きょうの自選句。けふ一日初蝶となるこころかな 益弘

たましひ

きょうの自選句。朧夜の屋根に遊ぶはたましひか 益弘

柳絮

きょうの自選句。たましひのかくも真かろき柳絮かな 益弘

黄河の春

きょうの自選句。ブタ落ちて黄河の春を泳ぎけり 益弘

青踏む

きょうの自選句。青踏むや寺山修司ポケットに 益弘

朧夜

きょうの自選句。朧夜の人には云へぬ間柄 益弘

クローバー

きょうの自選句。クローバに轍も夢も残しけり 益弘

化石の蝶

きょうの自選句。死の際も翔ばむとしたる化石の蝶 益弘

卵が先

きょうの自選句。春愁の卵が先に決まつとる 益弘

行く春

きょうの自選句。行く春のひきしほの端踏んでをり 益弘

初蝶

きょうの自選句。初蝶の渡り切つたる赤信号 益弘

御室桜

きょうの自選句。根元より御室桜の盛りかな 益弘

春の夜

きょうの自選句。春の夜すぐに泣くひと泣かしけり 益弘

春愁

きょうの自選句。春愁の三面の貌たゝみける 益弘

海市

きょうの自選句。抱擁のあなたに浮む海市かな 益弘

春闌く

きょうの自選句。草色のもの草に棲み春深し 益弘

大櫻

きょうの自選句。透明な傘に枝垂るゝ大櫻 益弘

日永

きょうの自選句。手のひらに大河を掬ふ日永かな 益弘

子雀

きょうの自選句。大寺の屋根まで飛べて雀の子 益弘

恋の猫

きょうの自選句。屋根づたひどこへも行けて恋の猫 益弘

春深し

きょうの自選句。吟行の一人はぐれて春深し 益弘

花曇り

きょうの自選句。花曇る祇園甲部にたづねびと 益弘

枝垂桜

きょうの自選句。まなうらに枝垂れて花は眠らざる 益弘

桜吹雪

きょうの自選句。一身を桜吹雪に濡らすかな 益弘

しゃぼん玉

きょうの自選句。しやぼん玉毀れて消えて飢餓の国 益弘

花筏

きょうの自選句。花筏母追ふ如く父逝きし 益弘

春はあけぼの

きょうの自選句。春はあけぼの珈琲はアメリカン 益弘

きょうの自選句。朧なる身に九穴のありにけり 益弘

桜貝

きょうの自選句。雲母波またきらら波桜貝 益弘