益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

冬支度 冬用意

自選句。 季寄せの背繕ふことも冬支度 益弘

鹿 鹿鳴く

自選句。 鳴く鹿に小糠雨降る宵も来ぬ 益弘

山粧ふ

自選句。 粧へる山ふところの荼毘の径 益弘

夜長 長き夜

自選句。 長き夜の猫のお相手致しけり 益弘

黄落 黄落期

自選句。 デッサンの線走らせて黄落季 益弘

時代祭

自選句。 時代祭御維新の音に天高し 益弘 ※例年10月22日に行われるが、即位礼と重なったため今年は26日に延期された。

薄紅葉

自選句。 祇王寺の滝口寺の薄もみぢ 益弘

菊月

自選句。 菊月や錦にそろふ旬のもの 益弘

秋思 秋愁 秋懐 傷秋 秋あはれ 秋さびし

自選句。 うつくしき山の容の秋思かな 益弘 ※容=かたち

秋深し 深秋 秋深む 秋さぶ

自選句。 百獣の王の瞑想秋深し 益弘

秋惜しむ 惜秋

自選句。 惜秋や骨董街をたもとほり 益弘

秋惜しむ 惜秋

自選句。 鳴き砂を鳴かせて秋を惜しみけり 益弘

鵙 百舌鳥 伯労鳥 鵙日和 鵙の晴 鵙猛る 鵙の声 鵙の高音.

自選句。 鉛筆の芯をするどく鵙日和 益弘

菊 菊の花 白菊 黄菊 大菊 小菊 懸崖菊 厚物咲 菊の宿 菊日和

自選句。 深々と菊の香を吸ふ訣れかな 益弘

秋の野 秋野 秋郊 野の秋 秋の原

自選句。 秋郊や雲の影追ふ雲の影 益弘

雁 かりがね 真雁 初雁 雁渡る 雁来る 雁の列 雁の棹 雁行 雁の声 落雁

自選句。 二階には二階の風や雁の声 益弘

釣瓶落し

自選句。 釣瓶落し宇治の早瀬に見了んぬ 益弘

火恋し

自選句。 おもひだす女の体温火恋し 益弘

曼珠沙華 彼岸花 死人花 地獄花 狐花 捨子花 幽霊花

自選句。 愛憎のあはひを揺れて曼珠沙華 益弘

柳散る

自選句。 柳散るぎをん新橋巽橋 益弘

灯火親しむ

自選句。 明朝体うるはし灯火親しめり 益弘

温め酒 酒温む

自選句。 身のうちの鬼を宥むる温め酒 益弘

霧 朝霧 夕霧 夜霧 山霧 川霧 狭霧 霧襖 濃霧 霧雨 霧笛

自選句。 再会を誓ふシスコの夜霧かな 益弘

薄紅葉

自選句。 ひとづまと訪ぬる嵯峨の薄紅葉 益弘

夜学 夜学子 夜学生 夜学校

自選句。 指にまた包帯をして夜学生 益弘

秋の雲 秋雲

自選句。 秋雲やフーテンの寅永遠なり 益弘

夜寒 宵寒 夜寒し

自選句。 猫抱きて猫につぶやく夜寒かな 益弘

冷ゆ

自選句。 脳のこと考ふる脳冷ゆるなり 益弘

菊 菊の花 白菊 黄菊 大菊 小菊 懸崖菊 厚物咲 菊の宿 菊日和

自選句。 仏壇の塵を許さず菊かをる 益弘

夜業 夜なべ

自選句。 時計とふ非情の機械夜業人 益弘