益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

花貝 桜貝 紅貝

きょうの自選句。花貝へまた一枚のきらら波 益弘

昭和の日

きょうの自選句。昭和の日光合成の只中よ 益弘

てふてふ 蝶々 蝶

きょうの自選句。てふてふや有刺鉄線くゞる夢 益弘

鳥雲に入る 鳥雲に

きょうの自選句。なにもかも入りゆき終に鳥雲に 益弘

春の艸 春草

きょうの自選句。春の艸紙ヒコーキの不時着す 益弘

残花

きょうの自選句。忌中より忌明さびしき残花かな 益弘

きょうの自選句。湯上りの湯の香りする朧かな 益弘

さより 針魚 竹魚

きょうの自選句。針魚食ぶ少しく華奢にならんため 益弘

春惜む 惜春

きょうの自選句。お抹茶のほろりと甘く春惜む 益弘

母子草 御行

きょうの自選句。母子草母逝きてより眼につきぬ 益弘

仔猫

きょうの自選句。鳴いてゐし仔猫のゆくへご存知か 益弘

玄鳥 燕 つばくろ

きょうの自選句。玄鳥の思ひの丈にひるがへる 益弘

雲雀

きょうの自選句。頭の中の一点に鳴くひばりかな 益弘

櫻6

きょうの自選句。見まはして亡き人はなき櫻かな 益弘

御室櫻

きょうの自選句。久闊を叙する御室の櫻かな 益弘

桜鯛

きょうの自選句。桜鯛紀淡海峡晴れ極む 益弘

花筏

きょうの自選句。ふつと亡きちゝはゝのこと花筏 益弘

春愁

きょうの自選句。おばしまに倚るは懸想か春愁か 益弘

春の夜

きょうの自選句。一力と灯りし春の夜も更けぬ 益弘

青柳

きょうの自選句。青柳や舞妓に出逢ふ小橋の上 益弘

櫻5

きょうの自選句。粉黛の匂ひたゆたふ夜の櫻 益弘

櫻4

きょうの自選句。老人の眼のすぐ潤む櫻かな 益弘

花の雨

きょうの自選句。周恩来詩碑もしとゞに花の雨 益弘

老櫻

きょうの自選句。言霊をしづめて見たり老櫻 益弘

散る桜 花散る 落花

きょうの自選句。散る花も散らする風もうらやまし 益弘

春愁

きょうの自選句。春愁や眼ひらきて眠る魚 益弘

山櫻

きょうの自選句。きのふ早やむかしの如し山櫻 益弘

夜櫻

きょうの自選句。夜櫻や滾り切つたる湯の静寂 益弘

日永 永日

きょうの自選句。永き日のときをり羽搏つ檻の鷲 益弘

四月馬鹿 万愚節

きょうの自選句。先頭の見えぬ行列四月馬鹿 益弘