益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

枝垂る

きょうの自選句。まなうらに枝垂れて花は眠らせぬ 益弘

桜前線

きょうの自選句。言霊の駆け抜けてゆく桜かな 益弘

初桜、京都はまだですが・・・

きょうの自選句。花咲いて諸人の目見うつくしき 益弘※目見(まみ)とは「目つき」「まなざし」のこと。

桜はまだか

きょうの自選句。フロッピーディスクにしまふ桜かな 益弘

桜はまだか

きょうの自選句。一力に停まるハイヤー花の雨 益弘※「一力(いちりき)茶屋」

やじろべゑ

きょうの自選句。春愁の揺らぎ止まざるやじろべゑ 益弘

只管打坐(しかんたざ)

きょうの自選句。只管打坐その鼻先を柳絮とぶ 益弘

湯葉

きょうの自選句。京湯葉と書かれある灯や路地朧 益弘※京都の名物「ゆば」は湯葉と書く。しかし、京都からその製法が伝わった栃木日光では湯波である。また、京都でも錦市場に「湯波吉」という専門店、麩屋町に「湯波半老舗」という由緒ある店もある。湯葉と湯…

春睡

きょうの自選句。春睡をよぎりしMといふ女 益弘

春闘

きょうの自選句。あり体に申せば死語よ春闘よ 益弘

白杖

きょうの自選句。囀りや白杖径をたがへざる 益弘

クローバー

きょうの自選句。クローバに轍も夢も残しけり 益弘

亜細亜

きょうの自選句。蒼茫と亜細亜大陸鳥雲に 益弘

頬杖

きょうの自選句。頬杖や異国をおもふ春の海 益弘

接木

きょうの自選句。接木して人生のどのあたりなる 益弘

春愁

きょうの自選句。春愁の三面の貌たゝみけり 益弘

大空虚

きょうの自選句。春一番二番三番大空虚 益弘

春疾風

きょうの自選句。なにほどのことぞ人生春疾風 益弘

春昼

きょうの自選句。春昼の満腹にして空虚なる 益弘

囀り

きょうの自選句。囀りやヴェートーヴェンのデスマスク 益弘

蝌蚪の国

きょうの自選句。蝌蚪いまだ蝌蚪より知らず蝌蚪の国 益弘

鐘朧

きょうの自選句。鐘撞けば鐘朧なり恢復期 益弘

春燈

きょうの自選句。をりからの三味の音漏るゝ春燈 益弘※虚子は俳句を「旦那芸」に貶めたのだ、という議論がある。 その通りと、言うしかない面もあろう。 しかし、その「旦那芸」を否定すれば、 ほとんどの現代俳人は存立の基盤を失うのではないか。 いや、素人を含…

水の春

きょうの自選句。フラミンゴシンメトリーに水の春 益弘

春の塵

きょうの自選句。広辞苑六法全書春の塵 益弘

偏頭痛

きょうの自選句。毎年よ春たけなはの偏頭痛 益弘

東京

きょうの自選句。東京に半死半生の蝶拾ふ 益弘

飢餓の国

きょうの自選句。しやぼん玉消えし彼方や飢餓の国 益弘

雛(ひな・ひひな)

きょうの自選句。年々に面やつれせる雛とも 益弘

鳥雲に

きょうの自選句。縁とは絆とは鳥雲に入る 益弘