2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。 ぬばたまの耳塚といふ虫の闇 益弘
自選句。 地球まろく葡萄一粒づつまろし 益弘
自選句。 有の実をいのち少なき母に剥く 益弘
自選句。 落柿舎の殊に裏手の虫しぐれ 益弘
自選句。 美しき数式はあり秋の雲 益弘
自選句。 花野ゆくいつか一人になる二人で 益弘
自選句。 斎場へつづく矢印秋の風 益弘
自選句。 白露やたまたま人に生れけむ 益弘
自選句。 鳳仙花一所懸命爆ぜにけり 益弘
自選句。 あした死ぬ蜉蝣に透く夕山河 益弘
自選句。 生きて死ぬそれだけのこと天の川 益弘
自選句。 秋蝶を日暮れの色に見失ふ 益弘
自選句。 ふり向けば既にたそかれ秋の蝉 益弘
自選句。 この道になまへはなくて明治草 益弘
自選句。 みちのくの或みちのべの男郎花 益弘
自選句。 大阪の水のにほへる残暑かな 益弘
自選句。 東京に不二見えてゐる終戦忌 益弘
自選句。 うしろより牛に啼かるゝ盆の月 益弘
自選句。 朝顔の紺を愛する家系かな 益弘
自選句。 久闊の送信二秒天の川 益弘
自選句。 蚯蚓鳴くさすが六道珍皇寺 益弘
自選句。 京町家奥に鈴虫鳴かせをり 益弘
自選句。 坂道に影の蝶生れ長崎忌 益弘
自選句。 正視してをとこ心の桔梗かな 益弘
自選句。 白鳥座研ぎ澄ましたる野分かな 益弘
自選句。 ひしひしと石積むが見ゆ広島忌 益弘
自選句。 存在をかそけくすれば蜻蛉来る 益弘
自選句。 かなかなのこゑのみ透きて杉襖 益弘
自選句。 稲妻のふところ深き丹波かな 益弘
自選句。 濤は己が重みに崩れ夏の果 益弘
