益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

秋の蝶 秋蝶 2

自選句。秋蝶の何かせはしき花背かな 益弘

虫 虫の声 虫の音 虫すだく 虫時雨 虫の秋 虫の闇 昼の虫 すがれ虫 残る虫 虫籠 虫売 2

自選句。全身をしづかに虫を聴いてをり 益弘

夜学 夜学子 夜学生

自選句。指にまた包帯をして夜学生 益弘

秋思 秋懐 傷秋 秋あはれ 秋淋し 2

自選句。この秋思よみひとしらず読みてより 益弘

鵙 百舌鳥 鵙の声 鵙の贄 鵙日和

自選句。鵙の贄人目に触るゝ高さにて 益弘

釣瓶落し 2

自選句。キネマ出て釣瓶落しにまぎれたる 益弘

夜長 長き夜

自選句。長き夜の猫のお相手致しけり 益弘

霧 朝霧 夕霧 夜霧 山霧 川霧 狭霧 霧襖 濃霧 霧雨 霧笛 

自選句。霧の夜の掌の中の手の繊かりし 益弘

霜降

自選句。玲瓏と霜降の空ありにけり 益弘

時代祭

自選句。時代祭信長公がメガネして 益弘

秋惜しむ 惜しむ秋

自選句。惜秋や骨董街をたもとほり 益弘

火恋し

自選句。おもひだす女の体温火恋し 益弘

凶作 不作 凶年

自選句。凶年をきれいな蝶の舞ふことよ 益弘

秋の暮 秋の夕 秋の夕暮 秋夕 2

自選句。わらんべのうしろの正面秋の暮 益弘

夜寒

自選句。猫抱きて猫にもの言ふ夜寒かな 益弘

黄落 黄落期

自選句。デッサンの線走らする黄落季 益弘

秋の水 秋水 水の秋

自選句。真顔とは寂しきかほよ秋の水 益弘

秋の雲 秋雲 雲の秋 3

自選句。秋雲やフーテンの寅永遠なり 益弘

山粧ふ

自選句。粧へる山ふところの荼毘の径 益弘

竜田姫

自選句。ねもごろに紅を注しゐる竜田姫 益弘

秋深し 秋闌ける 深秋 秋深む 秋さぶ 

自選句。松花堂弁当に秋闌けにけり 益弘

露 白露 朝露 夜露 露の玉 露けし 露葎 露時雨 芋の露 2

自選句。露けしやひとり占ふトランプに 益弘

釣瓶落し

自選句。釣瓶落し宇治の早瀬に見了んぬ 益弘

夜なべ 夜業 夜仕事

自選句。時計とふ非情の機械夜業人 益弘

秋の暮 秋の夕 秋の夕暮 秋夕

自選句。誰れ彼のそびらがとほし秋の暮 益弘

冷やか 冷ゆ 秋冷

自選句。脳のこと考ふる脳冷ゆるなり 益弘

柳散る 2

自選句。柳散るぎをん新橋巽橋 益弘

初紅葉

自選句。祇王寺の滝口寺の初もみぢ 益弘

柿 甘柿 渋柿 富有柿 次郎柿 熟柿 木守柿 柿日和

自選句。日の本の色となりたる熟柿かな 益弘

柳散る

自選句。かにかくに白川に散る柳かな 益弘