益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

年越 年を越す

自選句。年越の観念したるしゞまかな 益弘

日記果つ

自選句。倖せか余白の多き日記果つ 益弘

掃納

自選句。大時計の内部の暗き掃納め 益弘

行く年 年行く 年逝く 年歩む

自選句。行く年の動く歩道を歩いている 益弘

冬籠 2

自選句。冬籠るつむりの中の詰将棋 益弘

冬の灯 冬灯 寒灯 冬ともし

自選句。寒灯をいくつも点し一人なる 益弘

竈猫 灰猫 へつつひ猫 炬燵猫 かじけ猫

自選句。炬燵猫ときどき覚めて美食せる 益弘

枯野 枯野道 枯野人 枯野宿 枯野星 2

自選句。人よりも地図を信じて枯野なる 益弘

天皇誕生日

自選句。佳き墨を買ひて天皇誕生日 益弘

冬鴎

自選句。オロシヤの舶を怖れず冬かもめ 益弘

年の暮 歳暮 歳末 歳晩 年末 年の瀬 年の果 年暮る 年詰る

自選句。年の瀬をやをら過りぬ霊柩車 益弘

冬籠

自選句。ユダのごと髭たくはへて冬籠 益弘

隙間風

自選句。ちちははの世より住みなす隙間風 益弘

枯木 裸木 枯枝 枯木立 枯木道 枯木山 枯木星

自選句。これやこの枝垂桜の枯木かな 益弘

冬晴 冬日和 冬麗 冬うらら 冬晴るる

自選句。清水へ七味を買ひに冬うらら 益弘

雪 六花 大雪 小雪 粉雪 細雪 小米雪 新雪 根雪 深雪 飛雪 雪明り 雪晴 深雪晴

自選句。自動車も静かなオブジェ深雪晴 益弘

風花 吹越

自選句。風花やはんなりといふ京ことば 益弘

冬凪 寒凪

自選句。冬凪いで猫日和とぞなりにける 益弘

冬の夕焼 冬夕焼 寒夕焼

自選句。音消して救急車去る寒夕焼 益弘

冬の蝶 凍蝶  2

自選句。冬の蝶大きあを空残しけり 益弘

雪 深雪 大雪 小雪 雪晴 初雪 雪催

自選句。枇杷色に屋台はともり雪催 益弘

初雪

自選句。夜雨そと初雪となる別れかな 益弘

枯野 枯野道 枯野人 枯野宿 枯野星

自選句。落日を一鳥よぎる枯野かな 益弘

火事 大火 小火 近火 遠火事 昼火事 火事見舞

自選句。火事跡を離れぬ犬のをりしこと 益弘

時雨 しぐる 朝時雨 夕時雨 小夜時雨 片時雨 2

自選句。ジョン・レノン思ひ出させてしぐれけり 益弘

毛糸編む 毛糸 毛糸玉

自選句。母遺す編みし毛糸の未来形 益弘

冬深し 冬深む 冬さぶ 真冬

自選句。みちのくの伏目のこけし冬深き 益弘

冷たし 底冷 2

自選句。底冷の底にはんなり京ことば 益弘

冷たし 底冷

自選句。底冷の底を奔りて蒼き川 益弘

山眠る 眠る山

自選句。山眠るふつと活断層のこと 益弘