益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

火恋し

きょうの自選句。しんしんとして人恋し火恋し 益弘※「火恋し」・・・上五、座五で用いた時は 慣用的に「ひいこいし」と五音に読む。 「燈涼し」「日短」も同様に 「ひいすずし」「ひいみじか」と読む。

露2

きょうの自選句。露の夜の星にも命ある話 益弘

きょうの自選句。長き長き小説読めり露の音 益弘

夜長

きょうの自選句。半眼に猫の見透かす長き夜 益弘

水澄む

きょうの自選句。生くること哀しきまでに水澄めり 益弘

秋の雲

きょうの自選句。啄木の見し天才の秋雲か 益弘

小鳥 小鳥来る

きょうの自選句。曇りのち小鳥来てゐる金閣寺 益弘

きりぎりす

きょうの自選句。きりぎりす昔男に鳴いてをり 益弘

星月夜

きょうの自選句。水夫火夫デッキに酌むよ星月夜 益弘

秋夕焼

きょうの自選句。コンドルが金網を咬む秋夕焼 益弘

案山子

きょうの自選句。仰のけとも俯せとも捨案山子 益弘

惜秋2

きょうの自選句。珈琲のお代はりに秋惜しみけり 益弘

落花生

きょうの自選句。光陰の殻の嵩増す落花生 益弘

菊枕

きょうの自選句。亡き人に二タ夜まみえし菊枕 益弘

菊日和

きょうの自選句。鳥は飛び人は歩みて菊日和 益弘

惜秋

きょうの自選句。惜秋やキヲスクに買ふ文庫本 益弘

蟷螂

きょうの自選句。蟷螂の怒り忘るゝ天気かな 益弘

蟋蟀

きょうの自選句。耳塚やこほろぎの声すさまじき 益弘

きょうの自選句。何もたらすや霧のなか霧うごき 益弘

水澄む

きょうの自選句。水澄みて近江に富士のありにけり 益弘

きょうの自選句。芒よりその夕風を手折りたく 益弘

松茸

きょうの自選句。久闊を叙する松茸づくしかな 益弘

秋思

きょうの自選句。うつくしき山の容の秋思かな 益弘

熟柿

きょうの自選句。日本の色となりつる熟柿かな 益弘

天高し

きょうの自選句。芥子粒のごと我らゐて天高し 益弘

夜長

きょうの自選句。長き夜の猫のお相手致しけり 益弘

柳散る

きょうの自選句。白川にかにかく柳散る日かな 益弘

夜業人

きょうの自選句。仮眠てふ哀しき刻の夜業人 益弘

雁渡し 青北風

きょうの自選句。日の丸の美しかりし雁渡し 益弘

螻蛄 けら

きょうの自選句。螻蛄鳴いて月蝕の闇つかさどる 益弘