益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

秋惜しむ 惜秋 2

自選句。鳴き砂を鳴かせて秋を惜しみけり 益弘

秋の蛇 穴惑ひ

自選句。小栗栖に光秀の藪秋の蛇 益弘※小栗栖=おぐるす

夜学 夜学生 夜学子

自選句。指にまた包帯をして夜学生 益弘

秋惜しむ 惜秋

自選句。惜秋や骨董街をたもとほり 益弘

温め酒 酒温む 2

自選句。医のゆるす一合の酒温めむ 益弘

秋の野 秋野 秋郊

自選句。秋郊や雲の影追ふ雲の影 益弘

薄紅葉

自選句。ひとづまと訪ぬる嵯峨の薄紅葉 益弘

秋の日 秋日 秋日影 秋入日

自選句。爬虫類つぶさに視たる秋日影 益弘

渡り鳥 鳥渡る

自選句。声量のゆたかなる空鳥渡る 益弘

明治草 鉄道草 御維新草 御一新草

自選句。この道になまへはなくて明治草 益弘

花野 花野原 花野道 花野風 2

自選句。大花野こどもがふつとゐなくなる 益弘

猪 しし 瓜坊 手負猪 猪道

自選句。まつすぐに逃げたる猪は撃たれけり 益弘

螻蛄鳴く おけら鳴く

自選句。螻蛄鳴くや身より心の疲れゐて 益弘

温め酒 酒温む

自選句。身のうちの鬼を宥むる温め酒 益弘

秋の虹 秋虹

自選句。つぶやけば消えてしまひぬ秋の虹 益弘

柘榴 石榴 実柘榴

自選句。実柘榴の割れたるといふ吉事かな 益弘

秋闌ける 秋深し 秋深む 秋さぶ 3

自選句。深秋の一人に一つ影ぼふし 益弘

黄落 黄落期

自選句。デッサンの線走らせて黄落す 益弘

水澄む 澄む水 秋の水 秋水 水の秋

自選句。水澄みて近江に富士のありにけり 益弘

柳散る 散る柳

自選句。柳散るぎをん新橋巽橋 益弘

鳳仙花 つまべに つまくれなゐ つまぐれ

自選句。鳳仙花一所懸命爆ぜにけり 益弘

初紅葉

自選句。祇王寺の滝口寺の初もみぢ 益弘

螇蚸 飛蝗 きちきち

自選句。ばつた跳び亜細亜大陸蒼茫たり 益弘

松手入

自選句。松手入せし香に晴るゝ妙心寺 益弘

秋麗 秋うらら 秋日和 菊日和

自選句。鳥は翔び人は歩みて菊日和 益弘

柿 甘柿 渋柿 富有柿 木守柿 熟柿

自選句。日本の色となりたる熟柿かな 益弘

凶作 凶年 不作

自選句。凶年をきれいな蝶の舞ふことよ 益弘

秋闌ける 秋深し 秋深む 秋さぶ 2

自選句。百獣の王の瞑想秋深し 益弘

火恋し

自選句。思ひ出すをんなの体温火恋し 益弘

松茸 松茸飯

自選句。久闊を叙する松茸づくしかな 益弘