2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。季寄せの背繕ふことも冬用意 益弘
自選句。化野に蝶見てよりの秋思かな 益弘
自選句。城址に佇てば聞こゆる秋のこゑ 益弘
自選句。つぶやけば消えてしまひぬ秋の虹 益弘
自選句。惜秋や骨董街をたもとほり 益弘
自選句。指にまた包帯をして夜学生 益弘
自選句。デッサンの線走らせて黄落季 益弘
自選句。釣瓶落し宇治の早瀬に見了んぬ 益弘
自選句。粧へる山ふところの荼毘の径 益弘
自選句。時代祭御維新の音に晴れわたる 益弘
自選句。夜業人なべて機械のしもべなる 益弘
自選句。わらんべのうしろの正面秋の暮 益弘
自選句。古民家の秋の昼寝によき柱 益弘
自選句。のゝ宮に恋の絵馬殖ゆ竹の春 益弘
自選句。ねもごろに紅を注しゐる竜田姫 益弘
自選句。猫抱きて猫につぶやく夜寒かな 益弘
自選句。たれかれのそびらがとほし秋の暮 益弘
自選句。日の本の色となりたる熟柿かな 益弘
自選句。ひとづまと訪ぬる嵯峨の薄紅葉 益弘
自選句。おもひだす女の体温火恋し 益弘
自選句。百獣の王の瞑想秋深し 益弘
自選句。祇王寺の滝口寺の薄もみぢ 益弘
自選句。ふりむけばすでにたそかれ柳散る 益弘
自選句。生きて死ぬそれだけのこと天の川 益弘
自選句。身のうちの鬼を宥むる温め酒 益弘
自選句。鳥は翔び人は歩みて菊日和 益弘
自選句。柳散るぎをん新橋巽橋 益弘
自選句。脳のこと考ふる脳冷ゆるなり 益弘
自選句。仏壇の塵を許さず菊かをる 益弘
自選句。秋蝶の何かせはしき花背かな 益弘