2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。空席が一つ密かに冬去りぬ 益弘
自選句。枯園の一人と一人かゝはらず 益弘
自選句。四温へと亀がそろりと首を出す 益弘
自選句。薄目してモーツァルト聴く冬の猫 益弘
自選句。島の灯が真珠のごとし春隣 益弘
自選句。つぐみ焼昭和もとほくなりにしよ 益弘
自選句。薄紙の中の京菓子春近し 益弘
自選句。天のまほらへ冬蝶のさやうなら 益弘
自選句。霊長目ヒト科一同寒の内 益弘
自選句。待春の身をひるがへす近江鯉 益弘
自選句。大島渚逝く寒の夜這星 益弘
自選句。大寒のほのほの中の中華鍋 益弘
自選句。反骨のひとすぢ冬川涸れずあり 益弘
自選句。風花や舞妓のいそぐ先斗町 益弘
自選句。帰り花ほとけの母に告げにけり 益弘
自選句。寒菊と京のはづれを愛しけり 益弘
自選句。寒泳の老いの抜き手のうつくしく 益弘
自選句。昔男ありけり老いて着ぶくれて 益弘
自選句。一つ翔つと皆翔つあはれ都鳥 益弘
自選句。蜜柑に爪深く悪女かも知れず 益弘
自選句。凍蝶のいのちの色の夕茜 益弘
自選句。はらわたに沁みて燦たる寒の水 益弘
自選句。止まり木に女将とふたり寒の雨 益弘
自選句。火事跡を離れぬ犬のをりしこと 益弘
自選句。あづまびと京の底冷かこちける 益弘
自選句。寒紅や祇園は昏きところなる 益弘
自選句。むかい風立ち来る方を恵方とす 益弘
自選句。蝉丸も小町もとられ負け歌留多 益弘
自選句。獏枕亡き人々に賑はへる 益弘
自選句。相識らぬ幾万のかほ初まうで 益弘