益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

裸 素裸 裸身 裸子

自選句。我は吾を生きねばならぬ裸かな 益弘

鰻 土用鰻 鰻掻き

自選句。天麩羅にするか鰻か河原町 益弘

木下闇 下闇 青葉闇 木暮 木の暗(このくれ) 2

自選句。この下闇を祇王寺と云ふべかり 益弘

サングラス

自選句。ハーバーに風を見てゐるサングラス 益弘

夏帽子 夏帽 麦藁帽子 パナマ帽 カンカン帽

自選句。マネキンの眸みづいろ夏帽子 益弘

茂 茂み 茂る

自選句。落柿舎の柿より茂り始まりぬ 益弘

百合 白百合 姫百合 山百合 鬼百合 百合の香

自選句。百合のごと気取れるかほや柩窓 益弘

卯の花腐し

自選句。昼酒に卯の花腐し愉しめる 益弘

蛇 くちなは ながむし 青大将

自選句。殺めにし蛇生き返る夢の中 益弘

お花畑 お花畠

自選句。天近うして人やさしお花畑 益弘

玉虫 吉丁虫

自選句。玉虫や形見も減りし桐箪笥 益弘

香水 香水瓶 掛香 匂袋

自選句。掛香の香とすれちがふ先斗町 益弘

螢 螢火 初螢 恋螢 螢合戦

自選句。とらへては放つ螢や思ひ川 益弘

木下闇 下闇 青葉闇 木暮 木の暗

自選句。大学に七不思議あり青葉闇 益弘

ラムネ

自選句。太陽を一個残してラムネ干す 益弘

金魚 出目金 琉金 金魚掬ひ 金魚田

自選句。水更へて金魚に鳴らすモーツァルト 益弘

夏暖簾 麻暖簾

自選句。一雨の予感に揺れて夏のれん 益弘

揚羽蝶 鳳蝶 夏の蝶 夏蝶 梅雨の蝶

自選句。汚れずに行けよ心の碧揚羽 益弘

蟻 山蟻 蟻の道 蟻の列 蟻の塔 蟻塚

自選句。蟻潰すとき確かなる固さかな 益弘

朝焼

自選句。朝焼褪せ高層街衢起動する 益弘

梅干 梅干す 梅漬 夜干梅 干梅 梅酢 梅筵

自選句。梅漬や朝餉つましき京をんな 益弘

短夜 明易し 明早し 明急ぐ 2

自選句。俯せに寝てゐるをんな明易し 益弘

短夜 明易し 明早し 明急ぐ

自選句。短夜や忘れてゆきし耳飾り 益弘

打水 水を打つ 水撒 撒水車

自選句。水打つて暮色とゝのふ祇園町 益弘

筍 笋 竹の子 たかんな たかうな

自選句。たかむなの長髄彦のごと立てり 益弘

夏の月 月涼し

自選句。夏月やふはりと豆腐沈みたる 益弘

こどもの日

自選句。日の本に子供少なきこどもの日 益弘

石鹸玉

自選句。しやぼん玉飛べば蒼茫たる亜細亜 益弘

花種蒔く 朝顔蒔く 夕顔蒔く 鶏頭蒔く

自選句。虚しさの一隅に蒔く花の種 益弘

松蝉 春蝉

自選句。松蝉やとろりと暮るゝ与謝の海 益弘