益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

朴落葉

きょうの自選句。朴落葉大きあを空残しけり 益弘

銀杏落葉

きょうの自選句。大いてふ大団圓の落葉せり 益弘

冬 三冬 九冬 玄冬

きょうの自選句。人少し集めて冬の孔雀かな 益弘

時雨 しぐれ 3

きょうの自選句。いみじくもしぐれて祇園ともし頃 益弘

時雨 しぐれ 2

きょうの自選句。祖母静江享年三十しぐれけり 益弘

時雨 しぐれ

きょうの自選句。しぐれねばならぬ如くに小督塚 益弘※小督塚=こごうづか

冬の猫 炬燵猫 竈猫

きょうの自選句。祇王寺のまこと眉目佳き冬の猫 益弘

凍る 凍つ 凍む

きょうの自選句。凍る夜のふつつり止みしオルゴール 益弘

屏風 絵屏風 2

きょうの自選句。絵屏風のいづれが光源氏なる 益弘

屏風 絵屏風

きょうの自選句。洛中は花の盛りの屏風かな 益弘

冬服 冬の服

きょうの自選句。ひとゝせや冬の服より一名刺 益弘

寒茜 冬茜 冬夕焼

きょうの自選句。寒茜掟の如く燃え立ちぬ 益弘

冬の蠅

きょうの自選句。消しゴムで消せぬ一文字冬の蠅 益弘

冬の虫

きょうの自選句。わたくしは一生迷ふ冬の虫 益弘

寒灯 冬の灯 冬ともし

きょうの自選句。みづからを自ら閉づる一寒灯 益弘

手袋 手套

きょうの自選句。落とされし片手袋の流転かな 益弘

狩 猟 狩人 猟夫

きょうの自選句。狩の後をとこは火酒を酌みにけり 益弘

短日 日短 暮早し

きょうの自選句。酒一合ゆつくり飲めり日短 益弘

寒夜 冬の夜

きょうの自選句。寒夜ゆく人ゐぬ怖さゐる怖さ 益弘

冬濤 冬の波 冬怒濤

きょうの自選句。冬濤の響みを胆に溜めておく 益弘

神の留守 神無月 神在月

きょうの自選句。神留守の水の流るゝ禊川 益弘

冬めく

きょうの自選句。マキノより冬めいてきぬ湖西線 益弘

冬帝 黒帝 冬将軍

きょうの自選句。冬帝の鬼面の下を美貌とも 益弘

立冬 冬立つ 冬に入る

きょうの自選句。水面なる逆さ金閣冬に入る 益弘

枯野

きょうの自選句。補陀落の海見えてゐる枯野かな 益弘※補陀落=ふだらく

きょうの自選句。絶海の孤島の鷹を胸に飼ふ 益弘

炬燵猫 竈猫 冬の猫

きょうの自選句。美食してまた睡るなり炬燵猫 益弘

鯨 勇魚

きょうの自選句。蒼海をひたすら見つむ鯨来よ 益弘

湯冷

きょうの自選句。レンズに土星蒼かりし湯冷かな 益弘

十一月

きょうの自選句。虚しさよ十一月の離れ雲 益弘