2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧
自選句。空席が一つ密かに冬去りぬ 益弘
自選句。冬凪いで猫日和とぞなりにける 益弘
自選句。島の灯が真珠のごとし春隣 益弘
自選句。月光のそこだけ皓し寒櫻 益弘
自選句。薄紙の中の京菓子春近し 益弘
自選句。半熟の黄身美しき冬の朝 益弘
自選句。冬海に真向ふ鬼の面つけて 益弘
自選句。自動車も静かなオブジェ深雪晴 益弘
自選句。あづまびと京の底冷かこちけり 益弘
自選句。霙るゝや古町片町郭町 益弘
自選句。大寒のほのほの中の中華鍋 益弘
自選句。風花や灯りて暗き先斗町 益弘
自選句。狐火も座敷わらしもダムの底 益弘
自選句。休校の砂場に遊ぶ風邪の神 益弘
自選句。レンズに土星蒼かりし湯冷めかな 益弘
自選句。待春の身をひるがへす近江鯉 益弘
自選句。冬の蝶大きあを空残しけり 益弘
自選句。美しき真顔に逢ひし雪の町 益弘
自選句。吊革にゆらりと日脚伸びてをり 益弘
自選句。鶴のこゑ白日輪の中にあり 益弘
自選句。成人の日のまだ踏まぬ道の雪 益弘
自選句。遠景に如意ヶ岳据ゑ筆始 益弘
自選句。三十六峰みな名をもちて初霞 益弘
自選句。六根の燦々と醒む寒の水 益弘
自選句。冬の蠅罰があたつて生きてをり 益弘
自選句。寒紅や祇園は昏きところなる 益弘
自選句。蝉丸も小町もとられ負け歌留多 益弘
自選句。恵方へと魔物の金を持ち歩く 益弘
自選句。ひそやかに一歯喪ふお正月 益弘
自選句。相識らぬ幾万のかほ初まうで 益弘
