益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

2001-02-01から1ヶ月間の記事一覧

二月尽

二月も終り。早いものだ。父が入院した先月末日がつい先日のように思える。どうしてだろう?これほど時日の経過を早く感じたことは嘗てない。憂鬱で孤独な日々だった。父の手術が成功し、退院の目途がついた今この慌しかったひと月余を顧みる余裕がやっとで…

愛しの猫たちよ

今日も昼休みに父から電話。明日で点滴も終り、と声が弾んでいる。退院も近い、とも云う。早すぎる回復、恐ろしくなるくらいだ。元より、強健で常に積極的に考える人。そんな身体と性格が良い循環を生んでいるのだろう。七五歳にしていつまでも若々しい人だ…

習い性

久々の出勤。すぐにリズムを思い出す、会社に適応する。勤め人の、沁みついた習性である。昼休みにケータイに電話。父である。「点滴の管だけになった」と喜んでいる。毎日、目に見えて体が改善してゆくのはさぞ嬉しかろうと察する。思い切って出勤した私を…

冴返る

父の回復が予想以上に早い。今日は点滴をつけた状態で既に一人で歩いたと云う。病院内の公衆電話から馬券を買ったそうだ。(電話で買える専用の口座を持っているのです、誤解なきよう)ただただ恐れ入るばかりである。高齢でありながら見る見る改善していく父…

父の回復

太陽書房編集部です。今秋を目標に進めております電子書籍版「WEB PAGE」本文のサンプルをお送りします。一つは明朝体のもの、もう一つはゴシック体のものです。ご覧いただくとお分かりのように、ゴシック体の方がより鮮明に表示されます。お気づきの…

春暑し

今日も食事中の父を見舞う。僅かの食事を時間をかけて休み休み食べているのだからどうしてもその時間とかち合う。相変わらず「全然美味しくない」と愚痴る。しかし、日に日に父の顔色や声が改善していることは確かだ。そのことに安心感を覚える。明日は「ブ…

術後九日目

今日から父が食事を摂り始めた。術後九日目である。その早さに感嘆してしまう。もちろん、「おもゆ」一日三食、しかも点滴をしながらである。「まずい、食欲が出ない。」としきりに愚痴る。無理もない。胃がないのであるから・・。「リハビリなんだから・・…

私の胃袋事情

父の看病をして約ひと月。一変した生活にも徐々に慣れてきた。三匹の猫たちの面倒もなんとか見られるようになった。悩ましいのは己れの胃袋事情、つまり食事である。朝食はコーヒーブレイクで変りないが、昼と夜はほとんど外食になってしまった。病院近辺の…

北野神社へ

昼前に病院へ。睡眠剤が残っているそうで父はまだ朦朧としていた。なかなか夜眠れないらしい。父に限らずそれは入院患者の定番の悩みのようだ。「我慢して昼間起きてようね。」と看護婦が他の患者にも声を掛けている。ほとんどベッド上で生活しているのだか…

ちらほら咲き

父の機嫌は上々。昨日のG1レースを本線で的中させたからだ。ベッドに起き上がりスポーツ新聞を開いて余韻に浸っている。いつもこの調子なら安心しておれるのだが・・。もしも外れていたら?などと考えると憂鬱だ。これからも毎週馬券を買うと言うだろうし…

看病疲れ

今日の父は昨日のことが嘘のようにすこぶる上機嫌。昨夜、ぐっすり眠れたのが良かったそうだ。競馬番組をつけ、競馬新聞を見ながら実に饒舌である。フェブラリーステークスを二十点ほど買う。入院以来の鬱屈を一気に晴らすつもりのようだ。私はほっとしたせ…

元気な証拠?

今日の父は精神的にやや不安定。看護婦によると術後の患者によくあることらしい。身体じゅう管だらけで何をするのも不如意。点滴のみで食事のできない寂しさ。仕方のないことなのだが、気持ちは分かるような気がする。見舞うと看護婦二人を相手にだだっ子の…

オンライン出版の機動力

太陽書房編集部です。当社では、これまで太陽出版システムおよびIPSで刊行されてきた書籍を電子出版化する予定です。これにより、今までの紙に印刷された書籍と同じ内容のものが、紙を使用しない電子書籍として同時に刊行されることになります。「WEB …

喋ること

昨日の日記で、術後の父が喋るのは良くないはず、などと書いたが、看護婦に喋ることが何よりのリハビリと教えられた。麻酔が完全に醒めるまでは誰しも声が出ない。まして腹部に傷があるのだから、ますます声は出ない。だからこそ喋るのが大事なのだと言う。…

父の意識回復

昼前に妹と、父を見舞う。既に意識は回復していて元居た一般病棟に移されていた。「熱い、タオルをくれ」と云う。「喋ると痛い」と云う。しゃべると痛いと云いながら、しきりに喋ろうとする。困った人である。強い人である。今はまだおとなしく寝ているべき…

手術成功!!!

永い永い時間だった。午前九時に始まった手術は午後四時にようやく終った。癌化した食道一部と胃を全摘して父の戦いは終了した。成功。切除した臓器を眼前にして医師から説明を受ける。食道と小腸を吻合したこと。父の意識は明朝には回復すること。人工呼吸…

父の修羅場

明日はいよいよ父の癌切除手術。早く起きて妹と二人、病院に直行する。長丁場になるが終りまで立ち会う。我々家族に何ができるというものではない。ただただ成功を祈り、待つだけである。朝九時から夕刻五時か六時頃までかかるそうだ。それは我々にとって実…

春の海の・・・

甥と入れ替わりに妹が再び帰郷。二人で父を見舞う。手術前の父はやはり緊張気味。大手術になろうことは本人も既に知っている。明後日、手術当日早朝から妹と二人で病院に詰める。腕が良いと評判の医師を信じて待つよりない。経過、結果は全てインターネット…

悲惨な事故!

米海軍原潜と日本の水産実習船の衝突というまさに驚天動地の事故。俄かには信じがたい事態だ。「被害者」が生徒ゆえに悲惨さが際立つ。行方不明者の捜索に全力を傾けるのは当然として原因究明、そして来るべき補償問題において米国政府の誠実な対応を切望す…

国会中継を見る

父の看病で長らく休暇をとっている。御蔭で?普段は見ることの出来ない国会中継をこのところよく見る。もともと国会中継はマラソンを見るほどに好きなのだが勤め人にとってじっくり見ることはなかなか困難である。代表質問、予算委員会のやりとりを大体見る…

40000アカウントへ

担当医の指定した時刻に病院へ。今日のポリープ切除は順調に済んだとのこと。来週の癌切除について詳しく丁寧に説明を受ける。想像以上の大きな手術になるようで緊張する。朝から夕刻まで病院に詰めることになりそうだ。父の体力、気力がその大手術に耐える…

手術へ

明日は父の大腸ポリープの手術。これは簡単なもののようで、三十分ほどで終るらしい。問題は来週13日に決まった食道癌切除の方である。明日、私一人が担当医より説明を受ける予定だ。当日は朝から立ち会わねばならない。場合によっては献血も覚悟せねばな…

わが病い

通算五台目のパソコンを買う。Win98SEモデルのオールインワンノートPCでメモリ64MB・HDD6GBで十万円ちょっとは安い。専門店の店頭で見て絶対買い!と思った。バックアップ専用に使うつもり。PCは何台あっても困らない。古く遅いマシンを拡張するより新たに買…

創作意欲が湧いてくる

おだやかに晴れて、暖かな一日。日中は暖房が要らないほどだった。まだまだ戻り寒の日々はあろうが、着実に春が近づいていることを実感する。昼前に妹たちと父を見舞う。八日のポリープ切除手術への同意書を提出。また、来る食道癌手術時の寝間着や腹帯など…

立春

父への見舞いは妹に任せて完全休養。昼前まで二度寝、三度寝する。眼を閉じれば無限に眠れそうな感じである。父への心配と生活の変化で芯から疲れているのがよく分かる。定刻に出勤し定刻に帰宅する生活の方がよほど楽だと思い知る。しかし、父の手術も未だ…

節分

疲れが出たのか、昨日あたりから体調が悪い。胃腸の調子が変である。そしてすぐに眠たくなる。父のことは妹に暫く任せて思い切り眠ろうと思うのだがなかなかそうはできない性分なのである。父のことで鬱陶しいので、毎日飲み過ぎているのも良くない。分かっ…

妹来たる!!!

我が家の一階は野生の王国である。猫たちの解放区である。猫のためにテレビがあり、エアコンがあり、テーブルがある。父が入院して以来ますますその傾向は強まっていた。昼下りに山形から到着した妹は絶句、というか発狂。「何、これっ!!!」と言うなり、炊事…

執着ということ

早朝、父から電話。何か?と驚く。「のど飴と競馬ブックを買って来い!」とのこと。のど飴はともかく競馬ブックには呆れる。病棟からこの週末、競馬をやろうという魂胆らしい。酒もタバコもきっぱりと断った父が唯一、やめられなかったギャンブル。顰蹙を買…