益弘 この一句

俳人 田畑益弘のきょうの「この一句」

田畑益弘きょうの自選句「益弘 この一句」

冴返る

父の回復が予想以上に早い。
今日は点滴をつけた状態で既に一人で歩いたと云う。
病院内の公衆電話から馬券を買ったそうだ。
(電話で買える専用の口座を持っているのです、誤解なきよう)
ただただ恐れ入るばかりである。
高齢でありながら見る見る改善していく父の姿に
現代医療と人体の偉大さを感じる。
ここまで父を導いて下さった、
医師の高度な技術と看護婦のきめ細かな配慮に
改めて頭の下がる思いだ。
そしてわが父の旺盛な生への意欲を
誠に頼もしく思う。
明日は久々の出勤、安心して仕事ができそうだ。

時折雪のちらつく冬日へと逆戻り。
まだ二月、この二三日は暖かすぎた。
父の帰りを待つ猫たちもヒーターの前で丸くなっている。

 きさらぎに入りての寒さなつかしき  野見山ひふみ